まちの木と植え込み図鑑

イチョウ(街路樹)

扇形の葉が一枚落ちていれば、それで決まります。国土技術政策総合研究所が全国の街路樹を数えた調査では、高木の中でいちばん本数の多い木でした。手がかりは足もとにあります。先が広がる扇形の葉を拾って光に透かすと、一本の脈が二又に分かれる形が先端まで繰り返されるのが見えます。同じ形の葉をつける街路樹はほかにありません。…

ソメイヨシノ(街路樹)

花だけが先に開き、葉は花が散ってから出ます。接ぎ木でふやされた栽培品種で、街路樹に植えられたサクラ類の中でもっとも本数が多い木です。花の時期の手がかりは、枝が花だけで埋まり、葉が一枚も見えないことです。咲きはじめは淡い紅で、満開に近づくほど白く見え、開ききると重みで枝先が下を向きます。…

ケヤキ(街路樹)

冬に見上げると、枝先が箒を逆さにした形に広がります。街路樹の全国調査で高木の上位に並ぶ木で、遠くからでも樹形で見当がつきます。遠くからでも、根もとから扇のように広がる箒を逆さにした形で見当がつきます。近づいて幹を見ると、若いうちは灰白色でなめらか、太るにつれて雲の形をした薄片がはがれ、跡が明るい斑になります。…

ハナミズキ(街路樹)

花に見える白や紅の4枚は、花びらではありません。1912年に東京市が贈ったサクラの返礼として、北米から日本へ渡ってきた木です。花に見える4枚は苞という葉の変形で、先が浅くくぼみ、小さな切れ込みが残ります。中心の直径5mmほどの黄緑色の粒の集まりが本当の花で、数十個が固まって咲きます。枝は水平に段を作って伸び…

トウカエデ(街路樹)

葉の先が浅く三つに分かれ、ふちにぎざぎざがありません。中国から渡った木で、短冊のようにめくれる樹皮も決め手になります。三つに浅く裂けた葉と短冊のように縦へめくれる樹皮の二つで決まります。葉のふちは鋸歯がほとんどなく、なめらかな線を描き、裂けた三枚は先を前へ揃えます。幹は灰褐色で、薄い皮が縦長にはがれて垂れ…

クスノキ(街路樹)

葉をもむと、樟脳の匂いが立ちます。三本に分かれる葉脈のつけ根にある小さなふくらみと合わせれば、季節を選ばずに決まります。常緑なので一年じゅう同じ手がかりが使えます。落ちた葉を一枚もむと樟脳の匂いが立ち、これだけで見当がつきます。光に透かすと根もとから三本に分かれる脈が見え…

イロハモミジ(街路樹)

掌の形に5〜7枚へ裂け、ふちのぎざぎざが細かく不揃いです。日本のカエデ類の中では、街路樹としてもっとも多く植えられています。葉は手のひらのように5〜7枚へ深く裂け、切れ込みは中心の近くまで届きます。決め手はふちで、鋸歯が細かく、大きさも間隔も揃わずに欠けて見えます。葉の幅は4〜7cmほどと小ぶりで…

ナナカマド(街路樹)

赤い実の房が、葉の落ちたあとも枝に残ります。寒い地方に多い街路樹で、国の調査では北海道の地域的な特色として名前が挙がる木です。手がかりは、小さな葉が軸の左右に並んで一枚の葉のように見えることです。先端に一枚が残り、小葉の数は奇数になります。秋から冬は枝先に上を向いてつく赤い実の房が目印です。…

モミジバフウ(街路樹)

葉はカエデにそっくりでも、枝への付き方が違います。5〜7つに裂けた葉が互い違いに出る木で、秋にはトゲの並んだ球形の実が歩道に転がります。枝先を一本つまんで、葉が向き合っているかだけを見ます。モミジバフウの葉は一枚ずつ互い違いに出る互生で、同じ高さに二枚が向き合うカエデ類とはここで分かれます(葉序)。…

クロガネモチ(街路樹)

決め手は、葉のつけ根の紫色です。若い枝と葉柄が黒みを帯びた紫に染まり、冬には小さな赤い実が枝先を埋めます。一年中効く手がかりは若枝と葉柄の紫色です。葉の面ではなく、葉が枝につながる細い柄を見ると、黒みを帯びた紫に染まっています(葉柄)。名の「黒鉄」もこの色に由来します。葉は厚く光沢があり、縁に鋸歯のない全縁です。…

シラカシ(街路樹)

名前は白でも、幹は黒っぽく見えます。白いのは材の色で、樹皮は灰緑を帯びた暗い色です。細長い葉のふちに浅い鋸歯が並ぶ常緑のカシです。名前と見た目のずれを先に片づけます。白いのは材の色で、樹皮は黒っぽい灰緑色です。見分けは葉の形と縁で、長さ7〜12cm、幅2〜3cmの細長い葉に…

マテバシイ(街路樹)

厚くて大きい葉に、鋸歯が一つもありません。縁がゆるく波打つだけの常緑の葉が枝先に集まり、秋には細長いドングリが落ちます。葉のふちを指でなぞって、ぎざぎざが無いことを確かめます。マテバシイの葉は長さ10〜20cmと大きく、厚く硬く、鋸歯がまったく無い全縁で、縁がゆるく波打ちます。枝先に葉が集まるため…

モミジバスズカケノキ(街路樹)

街路のプラタナスは、たいていこの雑種です。スズカケノキとアメリカスズカケノキの交雑種で、まだらに剥がれる幹と細い柄の実で見当がつきます。幹を見れば済みます。樹皮が板状に剥がれて白・淡緑・褐色のまだらになり、迷彩のような模様が遠目でも読めます(樹皮の裂け方)。もう一つは実で…

ナンキンハゼ(街路樹)

葉は先の尖った菱形で、他の街路樹と重なりません。秋に殻が三つに割れると、白い種子が枝に残って冬まで見えます。菱形に近い葉が互い違いにつくところで決まります。葉先が尾のように細く伸び、縁に鋸歯がありません(葉序)。長い葉柄で葉が水平に下がり、風でよく回ります。秋の終わりには黒く熟した殻が三つに割れ…

シダレヤナギ(街路樹)

真下に垂れる細い枝が、この木の全部です。春の芽吹きは街路樹の中でも早く、周りがまだ裸のうちに黄緑が出ます。枝がまっすぐ真下に垂れる姿で決まります。細い枝が1〜3mも垂れ、風が吹くと全体が同じ向きに流れます。もう一つは早さで、関東では3月上旬から芽吹き、伏せてついた冬芽が一斉にほどけます(冬芽)。…

ユリノキ(街路樹)

葉の先を四角く切り落としたような形は、他にありません。半纏に似た葉が一枚落ちていれば、それだけで名前が決まります。葉だけで決まります。先端が浅くくぼんで水平に切れた形で、両側に一対の裂片が張り出し、長さ10〜15cmあります(葉の切れ込み)。この形の街路樹が他にないので、落ち葉一枚で足ります。…

コブシ(街路樹)

白い花の真下に、小さな葉が一枚だけ立ちます。3月に葉より先へ咲く白い木は何種かありますが、この一枚と、細く反り返る花弁を持つのがコブシです。3月から4月にかけて、葉の出ていない枝に白い花だけが並びます。決め手は花のすぐ下にあり、花柄の途中に指先ほどの葉が1枚だけ付きます。花弁に見える内側の6枚は幅が狭く…

ヤマモモ(街路樹)

6月の舗装が赤紫に汚れていたら、上にあるのはヤマモモです。厚く細長い常緑の葉が枝先にだけ集まり、街路樹の樹種別本数では19位に数えられています。厚く細長い葉が枝先にだけ集まり、枝の下側は葉の無いまま残ります。株全体は丸く整って見え、冬も葉の色が落ちません。葉は濃い緑でつやがあり…

サルスベリ(街路樹)

葉の落ちた冬でも、幹だけで名前が決まります。薄い皮が剥がれた跡がまだらに残り、手を当てるとひやりとして、木肌に引っかかりがありません。節くれと剥がれ跡を残しながら、全体がなめらかな幹です。剥がれたばかりの面は明るい灰白色、古い面は褐色で、一本の幹に二色がまだらに並びます。薄片がめくれる型は樹皮の裂け方の一つで…

ヤマボウシ(街路樹)

白い四枚の先が、細くとがって伸びます。葉がすっかり出そろってから咲くので、白い十字はいつも緑の葉の上に浮かんで見えます。白い十字に見える4枚は花弁ではなく、花の集まりを囲む苞です。その先が細くとがって伸びるのがヤマボウシで、中心には直径1cmほどの小花が20〜30集まり、球状の花序を作ります。…

トチノキ(街路樹)

手のひらを開いたような大きな葉が、枝先にまとまります。5枚から7枚の小葉が一点から広がって一枚の葉になり、5月には白い花穂が立ち上がります。街路樹の中でも葉一枚が大きく、遠目に葉の粒が粗く見える木です。長さ20〜35cmの小葉が5〜7枚、柄の先の一点から放射状に開いて一枚の葉を作ります(単葉と複葉)。葉は枝に対生し…

メタセコイア(街路樹)

針葉樹なのに、秋にはレンガ色になって落ちます。1945年に中国で生きた木が見つかり、戦後の日本へ渡って、公園と川沿いの並木に植えられてきました。幹がまっすぐ立ち、細い枝が円錐形に整う姿で並びます。近づくと小枝と葉が左右きれいに向かい合って付くのが分かり、葉序でいう対生がこの木の決め手になります。…

ハクモクレン(公園と庭の木)

花はどれも上を向き、最後まで開ききりません。街路樹としては多くありませんが、庭木と公園樹として、3月の白い花をいちばん広く見せる木です。花がすべて上を向き、閉じ気味の杯の形のまま咲きます。花被片は9枚で、内も外もほぼ同じ厚みと幅を持ち、開ききらないので遠目には白い蝋燭が枝先に並んで見えます。…

ヤマザクラ(公園と庭の木)

花と赤褐色の若葉が、同じ日に開きます。木ごとに花の色も咲く日もずれるのは、接ぎ木ではなく種から育った木が多いためです。花と若葉が同時に開き、その若葉が赤褐色から褐色を帯びるため、遠目には白とえび茶がまだらに混じって見えます。同じ斜面でも花の色は白から淡紅までばらつき、咲く日も数日ずれます。…

カツラ(公園と庭の木)

葉が枝に向かい合ってつく広葉樹は、街に多くありません。ハート形の葉が対生し、秋の落ち葉からカラメルに似た甘い香りが立つ木がカツラです。枝の同じ高さから、葉が2枚ずつ向かい合って出ます。この対生という付き方の広葉樹は街に少なく、葉序を見るだけで候補がかなり絞れます。葉は先のとがらない円いハート形で…

エノキ(公園と庭の木)

葉の先半分にだけ鋸歯が出る木です。基部から3本の脈が立ち上がる点と合わせると、公園の大木に混じる似た3種の中から1本を選び出せます。まず葉のふちを、根元から先へ指でたどります。鋸歯が先半分にしか現れず、基部側はなめらかなら、エノキの可能性が高くなります。加えて基部から3本の脈が扇形に立ち上がる三行脈が見えれば…

ムクノキ(公園と庭の木)

葉に触れると、指先がやすりに触れたようにざらつきます。この手ざわりは花や実の季節を選ばず、葉さえ出ていれば確かめられる数少ない決め手です。見分けの起点は目ではなく指です。葉の表を軽くなでると紙やすりのようなざらつきが返ります。葉の毛に珪酸がたまるためで、街の落葉高木では他にまず出ません。…

クロマツ(公園と庭の木)

葉が2本一組で硬く、握ると手のひらが痛む松です。冬から春の新芽が白いこと、樹皮が黒く厚いことを合わせると、アカマツとの区別がその場でつきます。マツの仲間かどうかは、葉の束で決まります。針状の葉が2本ずつ組になって出るのが二葉松で、クロマツとアカマツがこれにあたります。分けるのは硬さと色で、クロマツの葉は太く硬く…

ヒマラヤスギ(公園と庭の木)

名にスギとつきますが、マツ科の別の木です。遠くからでも分かる円錐形の樹形と、短い枝に束になって出る針葉で、公園と学校の象徴木として植わります。最初に整理するのは名前です。ヒマラヤスギはマツ科ヒマラヤスギ属で、ヒノキ科のスギとは別の系統にあたります。姿は遠目で決まり、幹がまっすぐ立ち、枝が水平に張って先が垂れる円錐形は…

ラクウショウ(公園と庭の木)

根元のまわりの地面から、膝のような突起が何本も立ちます。これは気根と呼ばれる根の一部で、街の木でこの姿を見せるのはラクウショウだけです。水辺の公園では、足元を見ると答えが出ます。池や湿った地面に近い株では根の一部が地上へ立ち上がる気根が幹のまわりに並び、高いものは人の膝ほどになります。この姿を見せる街の木は他になく…

スダジイ(公園と庭の木)

太った幹が縦に深く裂ける、常緑のドングリの木です。葉裏が金褐色を帯びること、6月に樹冠が黄色く染まることを合わせると、公園の大木の中から絞れます。幹を見上げるところから始めます。太った幹に縦の深い裂け目が何本も走るのがスダジイで、同じシイの仲間でも裂けない木があるため、ここが最初の分かれ道になります。葉は常緑で厚く…

タブノキ(公園と庭の木)

春先、枝先の太い冬芽が開いて赤い新芽が立ち上がります。この赤みは遠くからでも目に入り、常緑の木が混じる樹冠の中でタブノキを拾う手がかりになります。3月から4月の枝先が決め手になります。親指の先ほどに膨らんだ冬芽がほどけ、赤みを帯びた新芽と花序が一緒に立ち上がるため、常緑の樹冠に赤い房が点々と浮かびます。…

アラカシ(公園と庭の木)

葉の上半分にだけ、粗い鋸歯が出ます。下半分は縁がなめらかで、この上下の差が、街で会う常緑のカシ類を分ける最初の一点になります。枝先の葉を1枚とって縁を指でたどると、先の半分だけに粗い鋸歯が数個並び、つけ根側はなめらかです。この上下の差が、常緑のカシ類を分ける最初の手がかりになります。葉は革のように厚く…

エゴノキ(公園と庭の木)

5月、白い花が長い柄で下を向いて咲きます。花が終わると同じ向きに卵形の実が下がり、枝の下側だけがにぎやかになる木です。見上げるより、木の下に入って上を向くほうが早く分かります。5月の枝は長さ2〜3cmの細い柄で花がすべて下を向き、白い5弁が並びます。花の数が多く、満開の木は下から見ると天井が白くなります。…

ネムノキ(公園と庭の木)

暗くなると、小葉が左右から合わさって閉じます。昼は羽のように開き、夕方に閉じるその動きが、そのまま名前になった木です。葉が二回羽状複葉で、細長い小葉が羽根のように並びます。1枚の葉につく小葉が数百枚になることもあり、遠目には葉というより霞のように見えます。日が落ちると小葉が左右から合わさって閉じ、朝にまた開きます。…

ハゼノキ(公園と庭の木)

赤く色づいた羽状複葉には、素手で近づきません。ウルシ科で、体質によっては葉や枝に触れただけで、遅れてかぶれが出ます。秋にひときわ赤くなる奇数羽状複葉の木です。小葉は4〜6対、縁に鋸歯がなくて先が細くとがり、葉軸や若い枝が赤みを帯びます。幹は細く、根元から数本に分かれて立つこともあります。植えられた公園や庭のほかに…

シマトネリコ(公園と庭の木)

羽状複葉なのに、冬も葉が落ちません。街で見る複葉の木はたいてい落葉するので、この組み合わせだけで候補がほとんど絞れます。奇数羽状複葉なのに常緑という組み合わせが決め手です。小葉は2〜7対で表に光沢があり、縁は浅く波打ちます。細い幹が数本立つ株立ちで植えられることが多く、小葉が風でよく揺れるので遠目にも動きで気づきます。…

キンモクセイ(公園と庭の木)

先に匂いが来て、あとから木を探します。9月下旬から10月、オレンジ色の小花が葉のつけ根に固まって咲き、風下まで香りが流れます。この木だけは目より先に鼻で見つかります。9月下旬から10月、オレンジ色の小花が葉のつけ根に固まって咲き、香りが風下へ流れます。匂いに気づいたら足を止め…

ユズリハ(公園と庭の木)

葉柄が赤く、大きな葉が枝先に集まります。新しい葉が伸びきってから古い葉が落ちる、その交代の仕方がそのまま名前になりました。枝先だけに葉が集まり、その葉柄が赤く染まるのが決め手です。葉は長さ15〜20cmと大きく、傘の骨のように放射状に並びます。冬も緑を保ち、12月から2月は葉柄の赤がいちばん濃く見えます。…

ヤブツバキ(公園と庭の木)

花が、丸ごとぽとりと落ちます。花びらの根元が雄しべの筒とつながっているため、ばらばらに散らずに一つの塊のまま落ちる木です。手がかりは木の下にあります。花が花びらごと丸ごと落ち、地面に赤いままの花が並びます。花は12月から3月、赤い5弁が半開きに開き、中心の雄しべが根元でまとまって筒になります。…

ヒラドツツジ(生垣と刈り込み)

街の植え込みでいちばん見かける、花の大きなツツジです。国総研「わが国の街路樹Ⅸ」では中低木のツツジ類5915万本のうち、1777万本がこの木にあたります。花の直径をはかることが最初の手がかりです。ヒラドツツジは直径6cmを超える漏斗形の花を枝先に並べ、植え込みに使われるツツジ類の中では花が最も大きい部類に入ります。…

サツキ(生垣と刈り込み)

ヒラドツツジが散ってから咲き始めるツツジです。国総研の同じ調査ではツツジ類の内訳で2番目に多い1601万本を占め、旧暦の皐月に咲くことが名の由来になっています。咲く時期が、いちばん確かな決め手です。同じ植え込みに並ぶヒラドツツジが5月上旬に散ったあと、5月下旬から6月にかけて開き始めます。花は直径3〜5cmと小ぶりで…

シャリンバイ(生垣と刈り込み)

枝先の葉が、車輪の輻のように放射状に並びます。国総研の同じ調査ではシャリンバイ類939万本のうち936万本がこの木で、潮風と排気に強いため道路際の植え込みに多く使われます。真上から枝先をのぞくと決まります。葉が一点から放射状に出て、車輪の輻のように並ぶ姿がそのまま名の由来で、円い輪に見えます。…

ハナゾノツクバネウツギ(生垣と刈り込み)

初夏から秋まで、白い小さな筒の花が切れ目なく続きます。アベリアの名で広く通りますが、YList の標準和名はハナゾノツクバネウツギで、アベリアは属名から来た通称です。咲いている期間の長さがそのまま決め手です。6月から10月まで、白か淡紅の長さ2cmほどの筒形の花を次々に開くので…

サザンカ(生垣と刈り込み)

花びらが1枚ずつ散るほうが、サザンカです。国総研の同じ調査ではサザンカ類519万本のうち196万本がこの木で、刈り込まれた生垣の姿で見かけます。散った花の落ち方を、木の下で見ます。花びらが1枚ずつばらばらに散るのがサザンカで、下には花びらの敷きものができます。咲く時期も手がかりで、10月から12月と…

ドウダンツツジ(生垣と刈り込み)

冬に葉を落として枝だけになる、めずらしい生垣です。街の刈り込みはほとんどが常緑なので、12月から3月にここだけ裸になっている株は、この木とみて外れません。冬に葉があるかどうかが最短の道です。12月から3月に枝だけになっている刈り込みは、常緑ばかりの街ではまずこの木です。葉が無い時期は枝の分かれ方も効き…

セイヨウツゲ(生垣と刈り込み)

小さな葉が向かい合って付けば、セイヨウツゲです。街の刈り込み玉はこの木とイヌツゲで大半が占められ、対生か互生かの一点で二つに分かれます。国総研の中低木では353万本を数えます。葉の付き方をひとつだけ見ます。枝の同じ高さから葉が2枚ずつ向かい合って出る対生ならセイヨウツゲ、互い違いならイヌツゲです(葉序)。…

イヌツゲ(生垣と刈り込み)

ツゲの名で呼ばれますが、モチノキの仲間です。葉が互い違いに付くことがセイヨウツゲとの分かれ目で、国総研の同じ調査ではイヌツゲ類239万本が数えられています。葉が枝に互い違いに付く互生ならこちらです(葉序)。向かい合って付くセイヨウツゲと、この一点で分かれます。名前はツゲでもモチノキ科モチノキ属で…

ハマヒサカキ(生垣と刈り込み)

姿より先に、匂いで気づく生垣です。晩秋から冬に咲く小さな花が独特の強い匂いを出し、葉は縁が裏へ巻いて先が丸くくぼみます。海沿いの木ですが内陸の歩道にも並びます。歩道の植え込みから都市ガスにたとえられる強い匂いが流れてきたら、まずこの木が疑われます。匂いの出どころは11月から翌年1月ごろに咲く花で、径3〜4ミリと小さく…

トベラ(生垣と刈り込み)

枝を折ると匂いで分かる生垣です。葉は厚く、縁が裏へ強く巻いて丸まり、枝先に集まって付きます。名は節分に枝を扉へ挿した風習に由来します。葉の縁が裏へくるりと巻くことと、枝や葉を傷つけると立つ独特の匂いが決め手です。葉は長さ4〜10センチの倒卵形で厚く、表は濃い緑に光り、枝先に放射状に集まって付くため…

ウバメガシ(生垣と刈り込み)

カシの仲間なのに、葉が小さくて丸い木です。厚い葉が枝に隙間なく詰まって付き、刈り込みにも耐えるため、道路沿いの生垣と公園の単木の両方で見かけます。小さく厚い葉が枝に詰まって付くことが手がかりです。葉は長さ2〜4センチと、ほかのカシ類の半分ほどしかなく、先の丸い倒卵形で細長くありません。全体は濃い緑の塊に見え…

セイヨウベニカナメモチ(生垣と刈り込み)

赤い生垣と呼ばれるものは、ほぼこの木です。刈り込むたびに新芽が赤く吹き出し、伸びるにつれて緑へ戻ります。園芸上の交雑種で、レッドロビンの名でも流通します。刈ったあとに出る新芽が赤いことで見分けます。赤いのは新しい葉だけで、数週間から一か月ほどで緑に変わり、また刈れば赤い芽が吹きます。…

カイヅカイブキ(生垣と刈り込み)

枝が渦を巻いて立ち上がる、うろこ葉の木です。強く刈り込むと一部の枝だけが針のような葉に戻り、その枝は触れると刺さります。学校や工場の外周でよく見ます。炎がねじれるように立ち上がる枝が目印です。葉はうろこ状の鱗片葉が枝に密着し、枝そのものが緑の紐のように見えます。イブキの園芸品種で…

キョウチクトウ(生垣と刈り込み)

見て楽しみ、手は出さない木です。細長い葉が三枚ずつ輪生し、真夏の炎天下でも花が続きます。株のどこにも強心配糖体があり、剪定枝と煙まで注意の対象になります。細長い葉が一か所から三枚ずつ出ることで決まります。葉は長さ8〜15センチ、幅1〜2センチで厚く、白い主脈が目立ちます。花は6月から9月と長く続き…

ウメ(実のなる木)

花も実も、枝に直接くっついて付きます。柄がほとんど無いため枝の線に沿って花が並び、離れて見ると点ではなく線に見えます。咲く時期は地域で二か月以上ずれます。花に柄がほとんど無いことが最初の一点です。花は径2〜2.5センチで枝に直接付き、枝の線をなぞるように並んで咲きます。柄の長いソメイヨシノが枝から離れて房になるのとは…

カキノキ(実のなる木)

実が落ちても、へたが枝に残ります。四枚の萼が乾いたまま残るので、葉を落とした冬でも枝先を見れば引けます。厚く光る葉と橙色の実も手がかりです。枝先に残る四枚のへたで引けます。へたは花の萼が残ったもので、実が落ちたあとも枝に付いたまま乾き、冬から翌春まで残ります。葉は長さ8〜18センチと大きく…

ビワ(実のなる木)

葉の裏が茶色く曇って見えたら、ビワです。厚く硬い葉の裏面に短い褐色の毛が密に生え、光を返さないので、見上げると裏側だけ色が違って見えます。街路樹の調査では上位に出ませんが、庭や空き地、崖ぎわに残った株として街のあちこちにあります。高さ5〜8mほどの常緑小高木で、葉序は互生でも枝先に大きな葉が輪のように集まって付くため…

イチジク(実のなる木)

実に見えるものは、花の入れ物です。イチジクは袋の内側を向いて花が咲く隠頭花序なので、外からは開いた花を見つけられません。庭の隅や畑の縁、空き家の塀ぎわに残る落葉の小高木で、街路樹の調査には出てきません。枝は太く、同じ太さのまま曲がって伸びるので、冬でも姿で見当が付きます。葉は手のひらほどに大きく3〜5つに裂け…

ザクロ(実のなる木)

六月に朱色の花が咲けば、ザクロです。花びらより先に厚い萼が筒になって立ち上がるので、花が散ったあとも形が枝に残ります。古い庭や寺社の境内、住宅地の細い路地に残る落葉の小高木で、街路樹の調査には出ません。高さは3〜5mほど、幹はねじれて縦に浅く裂け、根もとから何本も立ち上がります。…

ヤマグワ(実のなる木)

同じ株で葉の形がそろわない木です。切れ込みの深い葉と、切れ込みのない卵形の葉が一本の中で混じるので、数枚見比べれば見当が付きます。空き地や河川敷、生垣の隙間に鳥が種子を運んで勝手に生える落葉の木です。植えられたものではないため、街路樹の調査には出てきません。高さ3〜10mまで伸び、放っておかれた場所ほど大きくなります。…

トキワサンザシ(実のなる木)

枝が見えなくなるほど赤い実が付きます。生垣やフェンスぎわに植えられた常緑の低木で、実の重みで枝がしなる冬がいちばん目につきます。生垣やフェンスぎわに植えられた常緑の低木で、ピラカンサの名でまとめて呼ばれます。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では中低木の76位、ピラカンサ類で4万6307本が数えられました。…

ナンテン(実のなる木)

細い幹が束になって立ち、葉が三回分かれます。小葉の縁に鋸歯がなく、冬に赤い実を垂らすので、庭でも植え込みでも同じ手がかりで引けます。庭の隅や建物のきわ、公園の植え込みに植えられる常緑の低木です。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では中低木の21位、ナンテン類で63万本、うち種としてのナンテンが13万6342本…

センダン(実のなる木)

冬の枝に、黄土色の実だけが残ります。葉を落としたあとも実は落ちず、灰色の枝先に粒が固まって下がるので、遠くからでも見分けられます。西日本の街路や公園でよく見る落葉の高木で、国土技術政策総合研究所の街路樹調査では107位・4060本が数えられています。枝が横に大きく広がるため、樹形は縦より横に伸びます。…

トウネズミモチ(実のなる木)

葉を空に透かすと、側脈が明るく浮きます。光を通す葉脈がそのまま見分けになるので、花も実もない季節でも一枚あれば決められます。公園や造成地、街路の植え込みで見る常緑の高木です。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では高木の49位、ネズミモチ類2万604本のうち1万4072本が本種で、中低木としても15位に入ります。…