サルスベリ
街路樹
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 夏(7〜8月)
葉の落ちた冬でも、幹だけで名前が決まります。薄い皮が剥がれた跡がまだらに残り、手を当てるとひやりとして、木肌に引っかかりがありません。
ひと目の手がかり
節くれと剥がれ跡を残しながら、全体がなめらかな幹です。剥がれたばかりの面は明るい灰白色、古い面は褐色で、一本の幹に二色がまだらに並びます。薄片がめくれる型は樹皮の裂け方の一つで、縦に深く裂ける木とは手触りから違います。夏には縮れた花弁の花が枝先で長く続き、真夏の街で咲いている数少ない木になります。国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』のサルスベリ類9万1570本のうち、8万9938本がこの種でした。
葉と樹皮
冬に葉が落ちてからのほうが引きやすい木です。幹に手を当て、引っかかりの無さと冷たさを確かめます。若い幹は淡い灰褐色でつやがあり、太るほど剥がれ跡の斑がはっきりします。同じなめらかさが枝の先まで続くので、目の高さで迷ったら見上げます。葉は長さ3〜7cmの楕円形で全縁、枝の上で対生と互生が入れ替わりながら二列に並びます。この並び方は葉序の見方を試すのに向いています。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
7月から9月まで、円錐状の花序が枝先に立ち続けます。花弁は6枚で、ふちが細かく縮れ、つけ根が細い柄のように伸びます。一つの花は数日で散りますが、枝先で次々に花序が伸びるため、咲いている期間が長く見えます。真夏に花を付けている高木は限られ、花期の長さがそのまま目印になります。秋には直径7〜8mmの丸い実が固まって残り、冬に割れて種子を落とします。
触れたらどうなるか
幹に触れて肌が荒れたという報告は知られていません。葉と花でも同じです。汚れるのは木に付く虫のほうで、カイガラムシやアブラムシの排出物に黒いすす状のかびが広がると、枝の下の手すりや自転車の座面がべたつきます。触れた手は水と石けんで落ちますが、べたつきが続く場所ではニトリル手袋を挟みます。散った花弁は濡れると路面に貼り付き、掃除は木を預かる側の仕事になります(街路樹の管理者)。
まちがえやすい木
幹の質感で迷うのはナツツバキです。ナツツバキも薄片が剥がれてまだらになる幹を持ちますが、剥がれ跡が赤褐色を帯びて斑が大きく、葉のふちに鋸歯があります。花の時期も6月で、白い五弁の花が一日で落ちます。街ではオオバナサルスベリも植わり、葉が長さ20cmを超え、花序も大ぶりです。同じ属のシマサルスベリは幹がより白く、花も小さくまとまります。冬に迷ったら、剥がれ跡の色と斑の大きさを見ます。