アラカシ
公園と庭の木
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 一年中
葉の上半分にだけ、粗い鋸歯が出ます。下半分は縁がなめらかで、この上下の差が、街で会う常緑のカシ類を分ける最初の一点になります。
ひと目の手がかり
枝先の葉を1枚とって縁を指でたどると、先の半分だけに粗い鋸歯が数個並び、つけ根側はなめらかです。この上下の差が、常緑のカシ類を分ける最初の手がかりになります。葉は革のように厚く、表は濃い緑で光り、冬も落ちません。国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』が令和3年度末でまとめた本数は4万9577本で、道沿いより公園や屋敷まわりで会うことの多い木です。季節を選ばずに引ける相手といえます。
葉と樹皮
葉の裏は白っぽい粉を吹いたような色で、表の濃い緑との差がはっきりします。長さは7〜12cmほど、葉柄は短く、枝には互い違いにつきます。春に伸びた新しい葉はしばらく赤みを帯びて垂れ、やがて緑に硬くなります。樹皮は暗い灰色で、若いうちは割れが目立たず、太るにつれて浅い縦筋が入ります。切り戻したあとから芽を吹く力が強く、四角く刈り込まれた生垣に仕立てられた株も多く見ます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
花は4月から5月、黄色を帯びた雄花の房が枝から垂れ、同じころに新しい葉が伸びます。どんぐりは長さ1.5〜2cmで、横しま模様の輪が重なる殻斗を浅くかぶります。クヌギのように二年かけて熟すどんぐりと違い、花から実が落ちるまでが一年で収まるので、秋に足もとを見れば実の年を迷いません。常緑なので冬も葉がそろい、落ち葉が増えるのは春の芽吹きに合わせた初夏です。
触れたらどうなるか
葉・樹皮・どんぐりのどれについても、触れて起きる症状の報告は見当たりません。ただし葉は硬く縁も張っているので、枝を素手でしごくと手のひらに細かい傷が残ることがあります。生垣の内側へ手を差し入れるときはニトリル手袋のような薄手の手袋を使うと引っかき傷を避けられます。落ちたどんぐりは虫が入っていることが多く、拾って袋に入れたままにすると幼虫が出てきます。4月から5月は花粉が多く、車の屋根や手すりに黄色くたまります。
まちがえやすい木
いちばん紛れるのはシラカシで、こちらは縁の全体に浅い鋸歯が並び、葉はやや細長く、裏の白さも控えめです。アカガシは鋸歯がほとんど出ないことで離れます。マテバシイは葉が大きく厚く、縁が切れ込みません。ウバメガシは葉が小さくて丸みがあり、海沿いの生垣によく使われます。屋敷まわりの木は関東でシラカシ、関西でアラカシが多いという地域差があり、住む土地が変わると同じ役目の木が入れ替わります。