ハナミズキ
街路樹
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 春(3〜5月)
花に見える白や紅の4枚は、花びらではありません。1912年に東京市が贈ったサクラの返礼として、北米から日本へ渡ってきた木です。
ひと目の手がかり
花に見える4枚は苞という葉の変形で、先が浅くくぼみ、小さな切れ込みが残ります。中心の直径5mmほどの黄緑色の粒の集まりが本当の花で、数十個が固まって咲きます。枝は水平に段を作って伸び、横から見ると花が上を向いて平らに並びます。国土技術政策総合研究所が令和3年度末にまとめた街路樹の調査では35万2936本が数えられ、住宅地の道でよく植えられています。高さは電線に届かない程度で収まります。
葉と樹皮
葉は枝に向かい合わせに二枚ずつつきます(葉序)。表は緑、裏は白みを帯び、主脈から弧を描いて葉先へ集まる脈がミズキ科の並び方です。葉をゆっくり裂くと、切り口に白い糸のような筋が渡ります。樹皮は灰黒色で、太ると細かい四角の割れ目が鱗のように並びます。枝先には玉ねぎ形の平たい花芽が冬じゅう立ち、離れていても見つかります。葉のふちは波打ちますが、鋸歯はありません。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
4月中旬から5月上旬に苞が開き、葉が出そろう前なので枝が花色に染まります。10月ごろには長さ1cmほどの楕円形の赤い実が数個ずつ上を向いてつき、鳥がついばみます。落ちた実は歩道で黒くつぶれます。紅葉は赤紫から濃い赤で、日当たりのよい枝から色が回ります。葉が落ちても白っぽい花芽が枝先に残るため、冬でも木の名前をたどれます。花芽は緑色から白く抜けるように変わります。
触れたらどうなるか
苞や葉に触れて症状が出たという記録は知られていません。手に残るのは熟した赤い実をつぶしたときの汁で、衣服に付くと薄い赤紫の染みになります。実を踏んだ靴のまま室内へ入らないくらいで済みます。夏の終わりに葉が白い粉をふくことがありますが、これは菌によるもので、手に付いても洗えば落ちます。低い位置から枝を張るので、顔の高さに来る枝先にだけ気をつけます。花粉での刺激も報告されていません。
まちがえやすい木
紛らわしいのはヤマボウシです。苞の先を見ます。ハナミズキは先が浅くくぼみ、ヤマボウシは先が細くとがって反り返ります。咲く順番も逆で、ハナミズキは葉より先、ヤマボウシは葉が出そろってから開きます。実はもっとはっきり違い、ハナミズキは楕円の実が数個並び、ヤマボウシは粒の集まった球形の実が一つずつ下がります。花期はヤマボウシが半月ほど遅れ、両方が並ぶ通りもあります。