ヒラドツツジ

生垣と刈り込み

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 春(3〜5月)

街の植え込みでいちばん見かける、花の大きなツツジです。国総研「わが国の街路樹Ⅸ」では中低木のツツジ類5915万本のうち、1777万本がこの木にあたります。

ひと目の手がかり

花の直径をはかることが最初の手がかりです。ヒラドツツジは直径6cmを超える漏斗形の花を枝先に並べ、植え込みに使われるツツジ類の中では花が最も大きい部類に入ります。葉も長さ5〜10cmと大きく、枝先に集まって放射状に開きます。国総研「わが国の街路樹Ⅸ」では中低木のツツジ類5915万本のうち1777万本がこの木で、街の植え込みで最初に疑う相手になります。

葉と樹皮

葉は長さ5〜10cmの楕円形で先がとがり、表にも裏にも寝た毛が生えているため、指でなでると乾いた紙のような手ざわりが残ります。春に伸びた葉は秋に落ち、夏以降に出た葉が冬を越す半常緑で、冬の株は葉の数が減ります。樹皮は灰褐色で細かく縦に裂け、若い枝は褐色の毛におおわれます。枝は株元から何本も立ち上がり、刈り込むと枝先が同じ高さでそろう姿になります。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

花は4月中旬から5月上旬に一度に開き、株が花で埋まります。色は白・淡紅・紅紫と品種で分かれ、上側の花びらに濃い斑点が入るものが多く見られます。雄しべは10本前後あり、花の外へ長く突き出します。花のあとの実は小さく目立たないため、見どころは花の三週間ほどに集中します。冬は葉が減って枝が透け、刈り込みの輪郭がよく見えます。

触れたらどうなるか

葉や枝に触れたことで皮膚が荒れたという報告は見当たらず、手に残るのは寝た毛のざらつきだけです。気をつけるのは花の蜜で、ツツジ属にはグラヤノトキシンを含む種があり、厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルは同属のレンゲツツジを有毒植物として挙げています。花を摘んで蜜を吸うと、吐き気やしびれ、脈の乱れが起きることがあり、子どもの目の高さで咲くぶん口へ運ばせない注意が要ります。

まちがえやすい木

紛らわしいのはサツキで、花と葉の大きさ、そして咲く時期で分かれます。サツキは花が直径3〜5cm、葉が長さ2〜3cmと一回り小さく、ヒラドツツジが散ったあとに咲き始めます。雄しべの数も手がかりになり、こちらは10本前後、サツキは5本前後です。花の柄や萼が指にべたつく株はモチツツジの系統で、粘りの有無でさらに離せます。