イロハモミジ

街路樹

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 秋(9〜11月)

掌の形に5〜7枚へ裂け、ふちのぎざぎざが細かく不揃いです。日本のカエデ類の中では、街路樹としてもっとも多く植えられています。

ひと目の手がかり

葉は手のひらのように5〜7枚へ深く裂け、切れ込みは中心の近くまで届きます。決め手はふちで、鋸歯が細かく、大きさも間隔も揃わずに欠けて見えます。葉の幅は4〜7cmほどと小ぶりで、色づく前から先が赤みを帯びる枝もあります。令和3年度末の国土技術政策総合研究所の調査では、日本産のカエデ類18万4802本のうち7万2132本がこの木でした。車道沿いより公園の縁で多く見かけます。

葉と樹皮

葉は枝に向かい合って二枚ずつつき(葉序)、互い違いにつく木はカエデ属ではありません。葉の切れ込みは掌状で、裂片の先が糸のように細く伸びます。樹皮は灰色から灰褐色でなめらか、若い幹には縦の細い筋がうっすら通ります。老木でも深くは裂けず、手を当てると平らな感じが続きます。枝は細かく分かれ、冬は赤褐色の細枝が霞のように見えます。根もとから幹が分かれた株立ちの木も多く見られます。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

4月ごろ、葉が開くのと同時に赤紫色の小さな花が下向きの房で咲きます。実は翼果で、二枚の羽が水平近くまで開き、くの字ではなく一直線に近い角度になるのがこの木の形です。夏は緑のまま、11月下旬から12月上旬に紅葉の峰が来ます。日の当たる枝先から赤くなり、内側は黄のまま残るため、一本の木で色が段になります。実は緑から赤へ変わり、乾いてから風で飛びます。

触れたらどうなるか

手でさわって困るところは、葉にも枝にもほとんどありません。春の切り口から出る水のような樹液は粘らず、匂いもありません。色が移るのは濡れた落ち葉で、乾けば落ちる程度です。枝先が細く硬いため、低い枝が目の高さで顔に当たることがあり、下からのぞきこむときに気をつけます。初夏は葉裏につく毛のある幼虫を目で確かめてから手を出します。とげは幹にも枝にもありません。

まちがえやすい木

同じ属で紛れるのはオオモミジとヤマモミジで、鋸歯の揃い方で分かれます。この二つは鋸歯が粗く、大きさが揃って規則正しく並びます。イロハモミジは細かく不揃いで、拡大しなくても差が見えます。葉の大きさもオオモミジのほうが一回り上です。裂片が三枚でふちがなめらかならトウカエデで、そちらは樹皮が短冊状にめくれます。庭の品種には葉が糸のように細く裂けるものもあります。