トベラ

生垣と刈り込み

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 春(3〜5月)

枝を折ると匂いで分かる生垣です。葉は厚く、縁が裏へ強く巻いて丸まり、枝先に集まって付きます。名は節分に枝を扉へ挿した風習に由来します。

ひと目の手がかり

葉の縁が裏へくるりと巻くことと、枝や葉を傷つけると立つ独特の匂いが決め手です。葉は長さ4〜10センチの倒卵形で厚く、表は濃い緑に光り、枝先に放射状に集まって付くため、枝の先が花束のように見えます。国総研「わが国の街路樹Ⅸ」では中低木の11位、171万本が数えられました。海岸の木ですが、潮風と乾燥によく耐えるため内陸の道路沿いにも並びます。

葉と樹皮

葉は互生ですが枝先に詰まって付くため、輪生のように見えます。厚い革質で全縁、縁が裏側へ巻き込むので幅が実際より狭く見えます。裏は白っぽく、主脈が太く隆起します。若い枝は緑色で、折ると青臭い匂いが立ちます。樹皮は灰色でなめらか、丸い皮目が点々と散ります。刈られても枝先に葉を密に付け直すため、生垣の面が詰まって見えます。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

花は4月から6月、枝先に白い五弁花が集まって咲き、咲き進むと黄色みを帯びます。雌雄異株で、実が付くのは雌株だけです。見どころは秋から冬で、径1〜1.5センチの実が三つに裂け、中から赤い種子が現れます。種子は粘り気の強い液に包まれ、裂けた実にぶら下がったまま年を越して残ることもあります。

触れたらどうなるか

困るのは実から出る粘液です。裂けた実の赤い種子は樹脂を含む粘液をまとい、指に付くと水だけでは落ちにくく、衣類に付けば跡が残ります。枝や葉を折ったときの匂いも手に移ります。葉・枝・花については、皮膚が荒れたという報告は確かめられませんでした。粘液が付いたら石けんで洗い、目に入ったときの手当ては汁が目に入ったときにまとめました。

まちがえやすい木

同じ場所に並ぶシャリンバイと最も紛れます。どちらも厚い葉が枝先に集まりますが、シャリンバイは枝が車輪の輻のように放射状に出て、葉の縁は裏へ巻かず浅い鋸歯が残ります。実も分かれ目で、シャリンバイは黒紫色の丸い実、トベラは三つに裂けて赤い種子を見せる実です。マテバシイの若木も葉が厚く光りますが、葉の長さが倍あり、どんぐりを付けます。