トウネズミモチ

実のなる木

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 一年中

葉を空に透かすと、側脈が明るく浮きます。光を通す葉脈がそのまま見分けになるので、花も実もない季節でも一枚あれば決められます。

ひと目の手がかり

公園や造成地、街路の植え込みで見る常緑の高木です。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では高木の49位、ネズミモチ類2万604本のうち1万4072本が本種で、中低木としても15位に入ります。決め手は葉の透かし方で、一枚を空にかざすと側脈が明るい線として透けます。近縁のネズミモチでは、この線がほとんど見えません。透かすだけで分かるので、ハンドルーペも要りません。

葉と樹皮

葉は対生し、長さ8〜15cmの卵状楕円形で、縁に鋸歯がなく、革質で表面に強い光沢があります。葉脈は表から見ると目立ちませんが、光にかざすと側脈が明るく透けて見えます。厚みがあり、曲げても硬く戻ります。若い枝は緑色で、皮目が白い点として散ります。樹皮は灰褐色でなめらか、太ると浅い縦じわが出て、幹の下のほうから枝が出にくい姿になります。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

6〜7月に白い小花が円錐花序で枝先を覆い、遠目には泡のように見えます。10〜12月には黒紫の実が房で下がり、冬のあいだ残ります。この実を鳥が運ぶため、空き地や造成地の斜面に若木がまとまって出ます。環境省の生態系被害防止外来種リストに載るのはこの広がり方が理由で、刈り込んだ枝の始末は刈った草と剪定枝の始末の話になります。

触れたらどうなるか

葉や樹皮、実に触れて起きる刺激は特に知られていません。刺も毛も持たず、折っても汁は出ません。6〜7月の花は匂いが強く、近くで長く嗅ぐと不快に感じる人がいますが、皮膚の症状は報告されていません。落ちた黒紫の実は靴や舗装に色を残し、雨の日は滑りやすくなります。子どもが実を拾う場面では、子どもが実を口に入れたときを確かめます。

まちがえやすい木

いちばん近いのがネズミモチで、生垣に使われることが多く、葉を透かしても側脈が浮かびません。葉はやや小さく厚く、実の形も違います。刈り込まれた若木ではイヌツゲと迷いますが、イヌツゲは葉が互生で長さ1〜3cmと小さく、縁に浅い鋸歯が出ます。複葉のシマトネリコは葉の付き方で外せます。迷ったら一枚を空にかざす手順に戻ります。