モミジバフウ

街路樹

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 秋(9〜11月)

葉はカエデにそっくりでも、枝への付き方が違います。5〜7つに裂けた葉が互い違いに出る木で、秋にはトゲの並んだ球形の実が歩道に転がります。

ひと目の手がかり

枝先を一本つまんで、葉が向き合っているかだけを見ます。モミジバフウの葉は一枚ずつ互い違いに出る互生で、同じ高さに二枚が向き合うカエデ類とはここで分かれます(葉序)。裂片の数や切れ込みの深さは同じ木でもばらつき、決め手になりません。国土技術政策総合研究所の全国調査では15万5754本が数えられ、街路樹として広く植えられてきた木です。

葉と樹皮

葉は長さ10〜18cmの掌状で5〜7つに裂け、裂片の縁には細かい鋸歯が並びます(鋸歯)。葉柄が長いので、風のたびに葉身がひらひらと回ります。樹皮は灰褐色で縦に細かく裂けて短冊状になり、若い枝にはコルク質の翼が張り出すことがあります。落ち葉を拾ったときは、葉柄の付け根の断面まで見ておくと互生が確かめられます。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

11月中旬から12月上旬の紅葉が見どころで、一本の木の中に黄・橙・赤・赤紫が混ざります。日の当たる側の枝から先に色が変わるため、全体が一色に染まる木にはなりません。実は直径3〜4cmの球形の集合果で、葉を落としたあとも枝に残ります。高い枝に残った実の数は単眼鏡で確かめられます。冬は、枝に残った実と若枝に張り出すコルク質の翼の二つで引けます。

触れたらどうなるか

葉と樹液に知られた刺激の報告はありません。気をつける部位は落ちた集合果で、表面の硬いトゲが指先に刺さることがあります。拾うときは実の側面をつまみ、トゲの向きに逆らって握らないようにします。歩道に転がった実は自転車の細いタイヤを取られる原因にもなります。持ち帰りの可否は落ちた実の持ち帰りで確かめます。

まちがえやすい木

紛らわしいのはトウカエデとイロハモミジです。どちらも葉が向かい合ってつく対生で、実は二枚の羽根をもつ翼果ですから、球形の実が落ちていれば分かれます。三つに裂ける葉のフウ(サンカクバフウ)は街路ではあまり見ません。標準和名はモミジバフウで、よく使われる「アメリカフウ」は別名です(YList)。