セイヨウツゲ

生垣と刈り込み

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 一年中

小さな葉が向かい合って付けば、セイヨウツゲです。街の刈り込み玉はこの木とイヌツゲで大半が占められ、対生か互生かの一点で二つに分かれます。国総研の中低木では353万本を数えます。

ひと目の手がかり

葉の付き方をひとつだけ見ます。枝の同じ高さから葉が2枚ずつ向かい合って出る対生ならセイヨウツゲ、互い違いならイヌツゲです(葉序)。葉は長さ1.5〜3cmの倒卵形で厚く、先端がわずかにへこむものが多くあります。若い枝は緑色で角ばり、指でつまむと四角く感じます。この一点で街の刈り込み玉の大半が二つに片付きます。

葉と樹皮

葉は全縁で鋸歯が無く、表は濃い緑の強い光沢、裏は淡い緑です。厚くて硬いため、刈り込んだ面が板のようにそろいます。ボックスウッド、あるいはボックスの名で苗が流通するのはこの木で、低い縁取りや刈り込みの造形に使われてきたのもこの硬さによります。樹皮は灰白色で、古い株では細かく裂けます。日本のホンツゲは同じツゲ属で、葉が1〜2cmとさらに小さくなります。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

花は3月から4月、葉のわきに淡い黄緑の小さな花が固まって付き、花びらは目立ちません。香りが強く、咲いているあいだはハチの羽音で気づくことがあります。実は長さ8mmほどの蒴果で、熟すと3つに裂けて黒い種子を飛ばします。常緑で一年中葉があり、冬は寒さで葉が赤褐色や紫を帯びる株が出ます。形が変わらないことがこの木の役目です。

触れたらどうなるか

刈り込みで葉に触れた程度でかぶれた例は多くありません。ただし枝葉にアルカロイドを含み、家畜が口にして中毒を起こした例が獣医の報告に残っています。葉や折った枝の切り口を口に入れないことが要ります。刈り込みで出る細かい葉くずは首筋や袖口に入り込むので、長袖やアームカバーで肌をふさぎ、作業のあとは流水で洗います(アームカバー)。

まちがえやすい木

イヌツゲが本命の相手で、葉が対生か互生かの一点で決まります。名前はどちらもツゲですが、セイヨウツゲはツゲ科、イヌツゲはモチノキ科と科から別です。葉の縁も差になり、こちらは鋸歯の無い全縁、イヌツゲは細かい鋸歯です。日本のホンツゲも対生で紛れますが、葉が小さく、街の刈り込みで見る機会は多くありません。