スダジイ
公園と庭の木
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 初夏(6〜7月)
太った幹が縦に深く裂ける、常緑のドングリの木です。葉裏が金褐色を帯びること、6月に樹冠が黄色く染まることを合わせると、公園の大木の中から絞れます。
ひと目の手がかり
幹を見上げるところから始めます。太った幹に縦の深い裂け目が何本も走るのがスダジイで、同じシイの仲間でも裂けない木があるため、ここが最初の分かれ道になります。葉は常緑で厚く、裏返すと光の角度で金褐色に光る鱗片が見えます。国土技術政策総合研究所「わが国の街路樹」の高木の本数では55位・1万6651本で、社寺の森や公園では丸く盛り上がった樹冠がひとかたまりで残ります。
葉と樹皮
葉は長さ5〜10cmほどの長楕円形で、先が細く伸び、上半分にだけ波形の鋸歯が出ます。厚く硬い革質で、表は濃い緑につやがあり、裏面は細かい鱗片で金褐色から灰褐色になります。裏返して光にかざすと、この色でシイの仲間だと決まります。樹皮は灰黒色で、若木ではなめらか、太るにつれて縦の裂け目が深く長く走ります。老木では溝に指が入るほどになります。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
6月、樹冠いっぱいに黄白色の雄花の穂が立ち、森がひとかたまりで黄色く見えます。このとき独特の強い匂いが周囲に漂うため、花の時期は遠くからでも見当がつきます。堅果は殻斗に全体を包まれる形で、受粉した翌年の秋に殻斗が裂けて落ちます。常緑のため冬も葉は残り、古い葉が春に入れ替わるときだけ樹冠が明るく見えます。落ちた堅果は地面でしばらく茶色く光ります。
触れたらどうなるか
皮膚の反応が報告された部位は、葉・樹皮・堅果のどれにもありません。葉は硬く縁が波打つので、落ち葉を素手でかき集めると、ふちで指を切ることがあります。花の時期の匂いは強く、衣類に残ることがありますが、体に起きる変化としての報告は見当たりません。落ちた堅果を拾う前には落ちた実の持ち帰りを確かめます。大木の下では落ちる枝にも注意します。
まちがえやすい木
同属のコジイ(ツブラジイ)と、マテバシイが相手です。コジイは幹が裂けずになめらかなまま太り、堅果が丸みを帯びます。マテバシイは葉が大きく厚い全縁で鋸歯が出ず、堅果が殻斗から突き出て、幹の裂け方も浅いままです。スダジイは縦に深く裂けた幹と、上半分だけの鋸歯の2点で、この2種の間に置けます。葉裏の金褐色はコジイにも出るため、そこだけでは分かれません。