コブシ

街路樹

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 春(3〜5月)

白い花の真下に、小さな葉が一枚だけ立ちます。3月に葉より先へ咲く白い木は何種かありますが、この一枚と、細く反り返る花弁を持つのがコブシです。

ひと目の手がかり

3月から4月にかけて、葉の出ていない枝に白い花だけが並びます。決め手は花のすぐ下にあり、花柄の途中に指先ほどの葉が1枚だけ付きます。花弁に見える内側の6枚は幅が狭く、開くほど後ろへ反り返って、花の向きも上下にそろいません。木全体が白く散らかって見えるのはこのためで、同じころ咲くハクモクレンの整った並びとは遠目にも違います。国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』の樹種別本数では18位、9万9163本でした。

葉と樹皮

葉は倒卵形で、先が急に短くとがります。ふちに鋸歯も切れ込みもなく、長さ6〜13cmほどで、枝には葉序でいう互生に付きます。裏は白みを帯び、脈が浮いて見えます。樹皮は灰白色でほとんど裂けず、横向きの皮目が点々と散り、太っても縦の割れ目はできません。冬は枝先の芽で引けます。白い長毛におおわれた花芽が指先ほどにふくらみ、葉芽は細くとがって別の形をしています。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

花は3月中旬から4月上旬に開き、甘い香りが風下まで届きます。ほぼ一斉に咲いて1週間ほどで散り、入れ替わりに葉が広がります。9月から10月にはこぶのように曲がってでこぼこした集合果が下がり、長さ5〜10cmほどになります。和名の由来をこの形に求める説があります。熟すと袋が割れて赤い種子が白い糸で垂れ、拾うときの考え方は落ちた実の持ち帰りにまとめています。

触れたらどうなるか

チップの値は特に知られた刺激はないです。葉と樹皮、花のどれについても、コブシでかぶれが起きたという報告は日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインに見当たりません。冬芽をおおう毛は柔らかく、手に付いても払えば落ちます。花粉についても、皮膚の症状の記録は見つかりません。ただし秋に垂れる集合果と赤い種子は、口に入れるものではありません。子どもが拾ったときの動きは子どもが実を口に入れたときに置いています。

まちがえやすい木

迷う相手はハクモクレンです。ハクモクレンの花はどれも上を向いたまま最後まで開ききらず、花の下に葉を伴いません。コブシは花弁が細くて反り返り、向きもばらばらなので、遠目には白さの散らばり方が違って見えます。コブシの花は直径6〜10cm、ハクモクレンはひと回り大きく、落ちた花被片の幅を比べても差が出ます。庭木のシデコブシは花被片が12〜18枚と多く、細いひも状に開くため、これも別に分かれます。