センダン
実のなる木
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)
冬の枝に、黄土色の実だけが残ります。葉を落としたあとも実は落ちず、灰色の枝先に粒が固まって下がるので、遠くからでも見分けられます。
ひと目の手がかり
西日本の街路や公園でよく見る落葉の高木で、国土技術政策総合研究所の街路樹調査では107位・4060本が数えられています。枝が横に大きく広がるため、樹形は縦より横に伸びます。いちばん分かりやすいのは冬で、葉の落ちた枝に黄土色の実だけが房で残ります。夏は葉が細かく分かれるので、木陰は薄く感じられます。街路に植えられた株の手入れは街路樹の管理者の側の話です。
葉と樹皮
葉は2〜3回の羽状複葉で、全体の長さが30〜80cmと大きく、小葉は長さ3〜6cmで縁に粗い鋸歯が入ります。単葉と複葉の見方を試すのに向いた木で、一枚の葉として落ちる範囲を目で追うと分かります。樹皮は灰褐色で縦に細かく裂け、皮目が点や短い線として並びます。冬芽は丸く毛をかぶり、葉が落ちた跡は大きな三角形に見えます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
5〜6月、枝先に薄紫の小さな花が群れて咲き、木全体が霞んだ色に見えます。花は花序が枝分かれして立ち、近づくと匂いが分かります。10月ごろ実が黄土色に熟し、落葉したあとも枝に残って冬を越します。この時期はヒヨドリやムクドリが実に集まり、樹下に種子が落ちます。花と実のどちらから入っても、葉が細かく分かれる姿と合わせて確かめられます。
触れたらどうなるか
葉や樹皮、花に触れて知られた刺激はありません。問題は果実で、メリアトキシンという成分を含み、豚などの家畜が実を大量に口にして中毒を起こした例が獣医の分野で知られています。人でも実を口に入れないのが前提で、樹下に落ちた実は子どもが実を口に入れたときの対象になります。実は乾いて硬くなり、冬のあいだ落ち続けるので、樹下では踏んで滑ることもあります。
まちがえやすい木
「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は、ビャクダンという別の木を指します。香りのある熱帯の木で、街で見るセンダンとは科が違い、ことわざを頼りに香りを探しても見つかりません。姿では羽状複葉のシマトネリコやハゼノキと迷いますが、複葉が2〜3回に分かれる点で区別でき、ハゼノキは触れるとかぶれる点でも扱いが違います。冬に実だけが残るのはセンダンの側です。