ユリノキ
街路樹
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 初夏(6〜7月)
葉の先を四角く切り落としたような形は、他にありません。半纏に似た葉が一枚落ちていれば、それだけで名前が決まります。
ひと目の手がかり
葉だけで決まります。先端が浅くくぼんで水平に切れた形で、両側に一対の裂片が張り出し、長さ10〜15cmあります(葉の切れ込み)。この形の街路樹が他にないので、落ち葉一枚で足ります。別名のハンテンボクは半纏に、チューリップツリーは花の形に由来します。全国調査では10万2951本を数えます。
葉と樹皮
葉は互生し、長い葉柄で下向きに垂れます。表は明るい緑、裏は白みを帯び、両面とも毛がありません(葉柄)。若い枝では托葉が枝を抱いて芽を包み、落ちたあとに輪の跡が残ります(托葉)。樹皮は灰白色で、成木では縦に細かく裂けて網目状になります。秋は黄色に色づき、葉の形のまま散ります。散った葉は先を水平に切り落とした輪郭をそのまま残すので、拾い上げなくても足元で名前が決まります。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
花は5月下旬から6月で、直径5〜6cmの緑黄色の花が上向きに咲きます。高い枝につくうえ葉に隠れるので、地上からはまず気づきません。足元に落ちた花弁を探すと、内側のオレンジ色の帯で分かります。高い枝の花は双眼鏡で追えます。冬は円錐形の集合果が立ったまま残り、翼のついた実が剥がれて落ちます(翼果)。
触れたらどうなるか
葉・樹皮・花に知られた刺激の報告はありません。花期は蜜が多く、花の周りにハチが集まるので、落ちた花を拾い上げるときは中を確かめます。花に残った蜜はベンチや車の上で粘つき、手についたら水で流すか紙石けんで洗います(携帯用の紙石けん)。冬の集合果は先の硬く尖った翼の集まりで、握ると指に当たります。
まちがえやすい木
葉の形が独特なので、葉があるうちは迷いません。困るのは落葉後で、灰白色の幹と直立した樹形がケヤキと重なります。ケヤキは枝が箒のように広がり、ユリノキは枝先に円錐形の果実が立ったまま残るので分かれます。同じモクレン科のハクモクレンは冬芽が大きく毛に包まれ、幹の色も違います。枝先の果実が遠いときは双眼鏡で輪郭を確かめます。足元に翼のついた実が落ちていれば、それだけでも分かれます。