エゴノキ
公園と庭の木
触れたときの扱い: 樹液・毛・汁に注意(触れたら洗う) / 見ごろ: 春(3〜5月)
5月、白い花が長い柄で下を向いて咲きます。花が終わると同じ向きに卵形の実が下がり、枝の下側だけがにぎやかになる木です。
ひと目の手がかり
見上げるより、木の下に入って上を向くほうが早く分かります。5月の枝は長さ2〜3cmの細い柄で花がすべて下を向き、白い5弁が並びます。花の数が多く、満開の木は下から見ると天井が白くなります。散ったあとの地面も手がかりで、花が形を保ったまま白く敷き詰められます。国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』の令和3年度末の集計では1万3949本で、公園や庭で会うことの多い木です。
葉と樹皮
葉は枝に互い違いにつき、長さ4〜8cmの卵形で先が細くとがります。縁には浅い鋸歯がまばらに出る程度で、指でなぞっても引っかかりません。枝は水平に近く伸び、細い幹が数本、根元から分かれて立つ株立ちに仕立てられた庭木が目立ちます。樹皮は暗い褐色でなめらか、縦の浅い筋と白っぽいまだらが入り、年を経ても大きくは割れません。若い枝は細く、冬は枝先の分かれ方で見当がつきます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
5月の開花のあと、7月から9月に長さ1cmほどの卵形の実が花と同じ向きに下がります。熟すと果皮が縦に裂けて灰白色の種子がのぞき、ヤマガラがこの種子を運ぶことが観察されています。黄葉は淡く、落葉も早めです。冬は葉が落ちたあとも実の細い柄が枝に残るので、柄の並びだけをたどって種の見当がつけられます。実は房にならず、1つずつ柄について下がります。
触れたらどうなるか
注意するのは果皮です。エゴサポニンを含み、つぶれた汁が皮膚や粘膜に付くと刺激になります(刺激性接触皮膚炎)。実を割った手で目をこすらず、触れたら石けんで洗います(汁が目に入ったとき)。サポニンは水に溶けて泡立ち、魚のえらのはたらきを妨げる性質があるため、かつて漁に用いられた記録が各地に残ります。葉と樹皮では同じ報告が見当たりませんが、落ちた実を子どもが口に入れないよう見ておきます。
まちがえやすい木
同じ科のハクウンボクは、花が房になってまとまって垂れ、葉が長さ10〜20cmと丸く大きいことで離れます。遠目に白い花が目立つ点ではヤマボウシと迷いますが、あちらは白く見えるのが4枚の総苞で、上を向いて咲きます。サルスベリの白花は夏に咲き、樹皮のつるりとした質も別ものです。花の時期もヤマボウシのほうが遅く、6月に入ってから白さが増します。花の向きと柄の長さの二つを見れば、遠目の白さに惑わされません。