ユズリハ

公園と庭の木

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)

葉柄が赤く、大きな葉が枝先に集まります。新しい葉が伸びきってから古い葉が落ちる、その交代の仕方がそのまま名前になりました。

ひと目の手がかり

枝先だけに葉が集まり、その葉柄が赤く染まるのが決め手です。葉は長さ15〜20cmと大きく、傘の骨のように放射状に並びます。冬も緑を保ち、12月から2月は葉柄の赤がいちばん濃く見えます。葉が上を向いてつくので、下から見上げると赤い柄が並んで数えられます。国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』の令和3年度末の集計では6583本で、庭や社寺の境内にも植えられています。

葉と樹皮

葉は革質で縁に鋸歯がなく、裏は白っぽく粉を吹いたように見えます。表の濃い緑、裏の白、柄の赤の三つがそろうと、ほかの常緑と迷いません。つき方は互い違いですが節が詰まるため、枝先で輪になって見えます。樹皮は灰褐色でなめらか、若い枝は太くて緑がかり、葉の落ちた跡が大きく残ります。春に新しい葉が伸びきったあと、古い葉がまとまって落ち、この交代が名の由来です。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

花は4月から5月、花弁のない地味な穂が葉のわきから出て、風で花粉を飛ばします。穂は緑がかって小さく、咲いたことに気づかないまま過ぎる年もあります。雌雄異株で、実がつくのは雌株だけです。実は長さ1cm前後の楕円で、10月から冬にかけて黒紫色に熟し、白い粉をかぶって房で下がります。赤い葉柄と黒い実と濃い緑の葉がそろう冬が見どころで、枝が正月飾りに使われるのもこの時期にあたります。

触れたらどうなるか

葉や枝に触れて起きる皮膚の症状は、報告が見当たりません。問題は口に入れたときで、葉と果実にアルカロイドを含むことが知られています。黒く熟した実は子どもが口に入れやすい大きさなので、飾りに使った枝から落ちた実は拾って捨てます(子どもが実を口に入れたとき)。実をつぶした汁が手に付いたら洗い、その手で目や口をさわらないようにします。飾りを片づけるときも同じです。

まちがえやすい木

紛れるのはヒメユズリハで、葉柄が緑のままで赤くならず、葉もひと回り小さくまとまります。海に近い土地ではこちらが植えられていることが多いので、柄の色を先に見ます。タブノキも枝先に葉が集まりますが、春の新芽が赤く大きな芽鱗に包まれる点で別です。クロガネモチは葉柄が紫を帯びるので迷うものの、葉が小さく、冬に赤い実が房でつきます。いずれも枝先に葉が集まるため、遠くからでは形だけで決められません。