トキワサンザシ

実のなる木

触れたときの扱い: 素手で触らない / 見ごろ: 秋(9〜11月)

枝が見えなくなるほど赤い実が付きます。生垣やフェンスぎわに植えられた常緑の低木で、実の重みで枝がしなる冬がいちばん目につきます。

ひと目の手がかり

生垣やフェンスぎわに植えられた常緑の低木で、ピラカンサの名でまとめて呼ばれます。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では中低木の76位、ピラカンサ類で4万6307本が数えられました。秋から冬は枝が隠れるほどの赤い実が決め手で、実のない季節は短枝がそのまま鋭い刺に変わっていることを見ます。刺は葉に隠れるので、離れたまま確かめるなら単眼鏡が向きます。

葉と樹皮

葉は長さ2〜4cmの倒披針形で、先が丸く縁に細かい鋸歯が入り、厚くて光沢があります。短枝と長枝の差が大きく、短枝には葉が束のように付き、先端は葉を付けずに硬い刺で終わります。刺は長さ1〜2cmあり、木質で折れにくい造りです。刈り込まれた生垣では枝が密に絡み、刺の位置が外から見えません。樹皮は灰褐色でざらつき、古い株では細かくはがれます。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

5月、白い小さな花が枝いっぱいに固まって咲き、遠目には白い帯に見えます。9〜11月に実が朱赤へ色づき、冬のあいだ落ちずに残ります。鳥が実を運ぶので、植えた場所から離れた斜面や空き地に若木が出ます。この広がり方から、環境省の生態系被害防止外来種リストにピラカンサ類として挙げられています。実の重みで枝が垂れて歩道に出ると、歩道にはみ出す庭木の話になります。

触れたらどうなるか

刺がこの木の一番の問題です。短枝の先が1〜2cmの木質の刺になり、葉や実に手を伸ばすと手のひらや指の腹に深く刺さります。折れた先が皮膚に残ると腫れが長引くため、折れて残るトゲを先に読む場面です。枝を掴まず、厚手の手袋を着けて外側から見ます。葉や実の汁で起きる皮膚の症状は知られていませんが、赤い実は子どもが実を口に入れたときの対象になります。

まちがえやすい木

実が橙色のタチバナモドキと、葉の細いホソバノトキワサンザシが近く、どれもピラカンサと呼ばれます。実が朱赤なら本種、橙色ならタチバナモドキで、葉の幅でも分かれます。庭木として交ぜて植えられ、一つの生垣で色が混ざることもあります。刺のない赤い実の木ではクロガネモチやナンテンと迷いますが、短枝が刺で終わるかどうかを見れば一度で決まります。