ハマヒサカキ

生垣と刈り込み

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)

姿より先に、匂いで気づく生垣です。晩秋から冬に咲く小さな花が独特の強い匂いを出し、葉は縁が裏へ巻いて先が丸くくぼみます。海沿いの木ですが内陸の歩道にも並びます。

ひと目の手がかり

歩道の植え込みから都市ガスにたとえられる強い匂いが流れてきたら、まずこの木が疑われます。匂いの出どころは11月から翌年1月ごろに咲く花で、径3〜4ミリと小さく、色も淡いため姿では気づきにくい木です。葉は長さ1〜3センチしかなく、縁が裏側へ巻き、先が丸くへこむ形をしています。潮風と排気に耐える性質から、海岸だけでなく内陸の歩道や中央分離帯にも広がりました。

葉と樹皮

葉は長さ1〜3センチの倒卵形で、厚く硬い革質です。縁が裏へ強く巻き込むため、浅い鋸歯は上から見てもほとんど分かりません。先は丸く、中央が浅くくぼみます。枝には左右二列に並ぶように互生し、若い枝に短い毛が密に生える点が、枝の無毛なヒサカキとの分かれ目です。樹皮は灰褐色で目立つ裂け目がなく、刈り込まれるため幹を見る機会は多くありません。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

花は11月から翌年1月ごろ、葉のわきに下向きで付きます。雌雄異株で、雄株の花は雄しべが詰まり、雌株の花は小さくまとまります。雌株では径4〜5ミリの球形の実がおよそ一年かけて黒紫色に熟すため、冬には花と黒い実が同じ枝に並ぶことになります。常緑なので紅葉はなく、この二つがそろう冬が見ごろです。

触れたらどうなるか

葉や枝に触れて肌が荒れたという報告は見当たりません。刈り込みの直後だけは切り口の枝先が硬く尖り、生垣に手を突くと指に刺さります。強い匂いは花から出るもので、皮膚に触れて起きるものではありません。黒く熟した実をつぶすと紫色の汁が指に残り、白い服に付くと落ちにくいので、携帯用の紙石けんで早めに落とします。

まちがえやすい木

同じ属のヒサカキが最も紛れます。ヒサカキは葉の先が尖り、縁は裏へ巻かず、花は3月から4月に咲くので、冬に咲いていればハマヒサカキと決められます。小さい葉が密に付く点ではイヌツゲも似ますが、こちらは葉が薄く、縁の鋸歯がはっきり見えます。セイヨウツゲは葉が対生に付くので、葉序を見れば一目で分かれます。