ナンテン
実のなる木
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)
細い幹が束になって立ち、葉が三回分かれます。小葉の縁に鋸歯がなく、冬に赤い実を垂らすので、庭でも植え込みでも同じ手がかりで引けます。
ひと目の手がかり
庭の隅や建物のきわ、公園の植え込みに植えられる常緑の低木です。国土技術政策総合研究所の街路樹調査では中低木の21位、ナンテン類で63万本、うち種としてのナンテンが13万6342本、低く仕立てたオタフクナンテンが48万2924本を占めます。細い幹が株立ちし、葉が三回に分かれる姿を覚えると、遠目でも見当が付きます。葉の形が単葉と複葉の見本になる木でもあります。
葉と樹皮
葉は3回羽状複葉で、単葉と複葉の区別を覚えるのに向いた木です。小葉は長さ3〜8cmの披針形で、縁に鋸歯がまったく入りません。革質で光沢があり、冬の冷え込みで赤く色づきます。葉の軸は途中で三方へ分かれ、一枚の葉がどこまでかが分かりにくく見えます。幹は直径1〜2cmと細く、まっすぐ立って枝分かれが少なく、表面には縦の細い筋が入ります。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
6月、枝先に白い小花が円錐状に集まって咲きます。花は花序の枝ごと上向きに立ち、遠目には白い霞に見えます。11月から2月にかけて実が赤く熟し、葉の赤みと同じ時期に見られるのがこの木の冬です。実は房ごと垂れ、鳥に運ばれて少しずつ減ります。低く仕立てられた系統は花も実も付きにくく、葉の色だけが季節で変わります。
触れたらどうなるか
葉や幹、花に触れて起きる刺激は特に知られていません。刺も毛も持たず、枝を折っても汁は出ません。ただし実と葉には微量のアルカロイドが含まれるため、口に入れないことが前提になります。赤い実は子どもの手の高さに垂れるので、子どもが実を口に入れたときで対処を確かめておく場面があります。落ちた実は舗装に色を残す程度で、皮膚の症状は報告されていません。
まちがえやすい木
名前の似るヒイラギナンテンは、小葉の縁がとげ状に尖り、春に黄色い花を出し、実は青黒く熟すので、鋸歯のないナンテンとは葉だけで分かれます。赤い実つながりではマンリョウやセンリョウと迷いますが、どちらも葉が一枚ずつの単葉で、実の付く位置も葉の下と葉の上に分かれます。単葉と複葉をひとつ確かめれば、赤い実の三種は迷いません。