ネムノキ
公園と庭の木
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 夏(7〜8月)
暗くなると、小葉が左右から合わさって閉じます。昼は羽のように開き、夕方に閉じるその動きが、そのまま名前になった木です。
ひと目の手がかり
葉が二回羽状複葉で、細長い小葉が羽根のように並びます。1枚の葉につく小葉が数百枚になることもあり、遠目には葉というより霞のように見えます。日が落ちると小葉が左右から合わさって閉じ、朝にまた開きます。マメ科で痩せた土地でも育つため、国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』の令和3年度末の集計にある3259本のほかに、河原や造成地へ自分から入り込んだ木も見られます。
葉と樹皮
小葉は長さ1cm前後で、中央の脈が片側に寄った左右非対称の形をしています。これが向かい合って軸に並び、その軸がさらに分かれて1枚の葉を作ります(単葉と複葉)。手のひらで受けるとやわらかく沈み、硬さがありません。樹皮は灰褐色でなめらか、横に並ぶ小さな皮目が点々と見えます。枝は太くて数が少なく、冬に葉を落とすと横へ平たく張り出した骨組みだけが残ります。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
7月から8月、糸を束ねたようなピンクの花が枝の上面に並びます。目立つ糸の1本1本は花弁ではなく長く伸びた雄しべで、花弁は基部の筒に隠れたまま小さく収まっています。夕方から咲きはじめ、翌日にはしぼむため、同じ木でも見る時刻で色の濃さが変わります。花のあとは長さ10cm前後の平たい豆果が下がり、秋から冬まで残って風で乾いた音を立てます。豆果は熟しても割れにくく、枝についたまま黒ずみます。
触れたらどうなるか
葉・花・樹皮のいずれも、触れて起きる皮膚の症状は報告が見当たりません。とげも刺す毛もなく、枝先を手で受けても引っかかりません。ただし種子の入った豆果は口に入れるものではなく、乾いて割れたあとの種は硬くて小さいので、子どもが拾ったら回収します(子どもが実を口に入れたとき)。花の時期は蜜にクマバチやスズメバチが集まるため、花の高さに顔を近づけないようにします。
まちがえやすい木
同じ二回羽状複葉のジャケツイバラは、枝と葉軸に下向きの鋭いとげが並び、ほかの木によじ登るように伸びる点で離れます。花も黄色で、房が上へ立ち上がります。センダンの複葉は小葉に鋸歯があってひと回り大きく、花は5月の薄紫です。シマトネリコは複葉が一回で、冬も葉を落としません。センダンは実が黄色いまま冬の枝に残ります。夕方に小葉が閉じるかどうかを見れば、夏の一日で片がつきます。