ラクウショウ
公園と庭の木
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 秋(9〜11月)
根元のまわりの地面から、膝のような突起が何本も立ちます。これは気根と呼ばれる根の一部で、街の木でこの姿を見せるのはラクウショウだけです。
ひと目の手がかり
水辺の公園では、足元を見ると答えが出ます。池や湿った地面に近い株では根の一部が地上へ立ち上がる気根が幹のまわりに並び、高いものは人の膝ほどになります。この姿を見せる街の木は他になく、葉より先に地面を見るほうが早く決まります。別名はヌマスギで、根が水に浸かる場所でも枯れにくい性質から、池のある公園で定番の木として植えられてきました。冬に葉を落としても気根は残ります。
葉と樹皮
葉は長さ1〜2cmほどの線形で、細い小枝に羽のように並びます。並び方を見るのが要点で、ラクウショウでは葉も小枝も互い違いの互生です。秋には葉が小枝ごと落ちるため、樹下には羽の形の落ち枝がたまります。樹皮は赤褐色から灰褐色で縦に細く裂けて繊維状にはがれ、根元は板状に張り出して、幹がくびれずに地面へ続きます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
見どころは11月の紅葉で、羽状に並ぶ葉が赤褐色かられんが色に染まり、池の水面に映ります。落葉は葉と小枝がまとめて落ちる形で、樹下が茶色に敷き詰められます。球果は直径2〜3cmほどの球形で、緑から褐色へ熟して割れます。春の芽吹きは淡い黄緑で、裸だった枝が羽の形へ戻る速さも見どころです。冬芽は小さく、冬は幹と気根のほうが主役になります。
触れたらどうなるか
気根も葉も硬いだけで、皮膚に作用する成分は知られていません。芝地の中に低く出た気根は、走ると足を取られます。公園で気根の周りを柵で囲う例があるのは、根の上を歩かせないためです。球果は樹脂を含み、割れたものを握ると手にべたつきが残ります。触れたら石けんで洗います。葉はやわらかく、葉のふちで切る傷が起きる硬さもありません。
まちがえやすい木
メタセコイアと並べて植えられることが多く、この2種の取り違えが最も起こります。決め手は3つで、葉と小枝の並びはラクウショウが互生、メタセコイアが対生です。根元の形は板状に張るか、くびれて溝が入るかで分かれます。そして膝のような気根が地面に並んでいれば、メタセコイアではありません。紅葉の色は両者とも赤褐色で、決め手になりません。