ハナゾノツクバネウツギ
生垣と刈り込み
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 夏(7〜8月)
初夏から秋まで、白い小さな筒の花が切れ目なく続きます。アベリアの名で広く通りますが、YList の標準和名はハナゾノツクバネウツギで、アベリアは属名から来た通称です。
ひと目の手がかり
咲いている期間の長さがそのまま決め手です。6月から10月まで、白か淡紅の長さ2cmほどの筒形の花を次々に開くので、ほかの植え込みが咲かない真夏に花が残っている生垣はまずこれにあたります。枝は細く弓なりに垂れ、刈り込んでも枝先が跳ね出すため輪郭がやわらかく見えます。国総研の中低木ではアベリア類901万本のうち889万本を占めます。
葉と樹皮
葉は長さ2〜3cmの卵形で、枝に向かい合って付く対生です(葉序)。表面につやがあり、縁には浅い鋸歯が並びます。暖かい土地では冬も葉が残り、寒い土地では落葉する半常緑なので、冬の姿は場所によって変わります。若い枝は赤褐色で細く、断面が角ばります。斑入りや黄色い葉の品種も形は同じなので、葉の色ではなく付き方と花で確かめます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
見どころは花の続く長さそのものです。初夏から秋まで咲き、花が落ちたあとも赤褐色の萼が枝に残ることがこの木の目印になります。萼は2〜5枚が星形に開き、羽根つきの羽根に似る姿がツクバネの名の由来です。花には香りがあり、ハチやチョウがよく訪れます。実は熟さないことが多く、秋から冬は残った萼が茶色い花のように見えます。
触れたらどうなるか
枝を折った切り口の汁を含め、皮膚への刺激は知られていません。葉の縁の鋸歯も浅く、素手で扱って傷が残る木ではありません。むしろ気をつけるのは花に集まる虫で、半年近く花が続くぶん、ハチが訪れる時間も長くなります。生垣に手を入れるときは花の中をのぞいてからにし、刈り込みの直後に飛び回る個体からは距離を取ります。
まちがえやすい木
野生のツクバネウツギやコツクバネウツギと名前が並びますが、街で見るのはほぼこの雑種です。花期の長さで分かれ、野生の仲間は春に咲いて終わり、こちらは秋まで続きます。葉が向かい合う低木という点ではセイヨウツゲとも重なりますが、長さ2cmの筒形の花と、落ちずに残る赤褐色の萼で離せます。