ケヤキ

街路樹

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 秋(9〜11月)

冬に見上げると、枝先が箒を逆さにした形に広がります。街路樹の全国調査で高木の上位に並ぶ木で、遠くからでも樹形で見当がつきます。

ひと目の手がかり

遠くからでも、根もとから扇のように広がる箒を逆さにした形で見当がつきます。近づいて幹を見ると、若いうちは灰白色でなめらか、太るにつれて雲の形をした薄片がはがれ、跡が明るい斑になります。『わが国の街路樹Ⅸ』(国土技術政策総合研究所、令和3年度末)が数えた本数は44万7880本です。強く刈り込まれた木は箒の形になりませんので、そのときは幹の斑で確かめます。並木では枝が道の上で組み合い、夏はトンネルのようになります。

葉と樹皮

葉は長さ3〜7cmほどの卵形で、先が細く伸びます。ふちの鋸歯は先がとがらず、波を打つように丸みを帯びて外へ向きます。枝には左右交互につき(葉序)、日の当たる枝では葉が平らに並びます。表面はかすかにざらつきますが、紙やすりのような手ざわりにはなりません。葉のつけ根は左右で少しずれ、柄が短いのも目印です。樹皮は雲形のはがれのほか、老木では縦に浅い筋が入り、灰褐色が濃くなります。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

紅葉は11月から12月で、同じ並木でも黄・橙・赤と木ごとに色が違います。ケヤキは種子から育てた苗が使われることが多く、一本ずつ性質が違うため色も揃いません。実は直径4mmほどのいびつな粒で、秋に小枝ごと落ち、葉を数枚つけた枝が風に乗って飛びます。落ちた小枝を歩道で見つけたら、頭上の木がケヤキだと分かります。冬は細かく分かれた枝先だけが残り、樹形がいちばんよく見える季節になります。

触れたらどうなるか

葉・樹皮・樹液のいずれにも、触れて皮膚が荒れたという報告は知られていません。4月ごろに咲く花は緑色で小さく、風で花粉を飛ばしますが、目につく量ではありません。手が汚れるとすれば、はがれた樹皮の粉や幹に付いた地衣類です。落ちた小枝は乾くと硬く、折れた先が指に刺さることがあります。幹に触れた手で目をこすらないのは、ほかの街路樹と同じです。

まちがえやすい木

同じ道に混じるのはエノキとムクノキで、どちらも卵形の葉が互い違いにつきます。鋸歯がどこまで並ぶかを見ます。エノキは葉の上半分にだけ鋸歯があり、下半分はなめらかです。ムクノキはふちのほぼ全体に鋸歯があり、表面が紙やすりのようにざらつきます。ケヤキは丸い鋸歯が全体に並び、ざらつきは弱いところで分かれます。小枝ごと落ちる実はケヤキだけで、足もとでも確かめられます。