ビワ

実のなる木

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)

葉の裏が茶色く曇って見えたら、ビワです。厚く硬い葉の裏面に短い褐色の毛が密に生え、光を返さないので、見上げると裏側だけ色が違って見えます。

ひと目の手がかり

街路樹の調査では上位に出ませんが、庭や空き地、崖ぎわに残った株として街のあちこちにあります。高さ5〜8mほどの常緑小高木で、葉序は互生でも枝先に大きな葉が輪のように集まって付くため、株全体が濃い緑の塊に見えます。決め手は葉の裏で、一枚めくって裏面が褐色に見えればビワです。原産は中国とされ、環境省の生態系被害防止外来種リストには産業管理外来種として載っています。冬も葉を落とさないので、株の輪郭は一年を通してほとんど変わりません。

葉と樹皮

葉は長さ15〜25cm、幅4〜8cmほどの倒披針形で、革のように硬く、手に取ると重さが分かります。表面は濃い緑で、葉脈のうち側脈が深く刻まれて波打ち、鋸歯は縁の上半分に粗く出ます。裏面いちめんに褐色の短い毛が生え、指でこするとわずかに毛が取れます。若い枝も同じ毛をかぶり、葉柄は短くて太く、葉は枝先で上を向いたまま垂れません。樹皮は灰褐色で、若いうちは滑らか、古い株では小さくはがれて灰色の斑になります。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

11月から1月という、木の花が少ない時期に咲きます。枝先に褐色の毛に包まれた円錐花序を立て、直径1cmほどの地味な白い花を開き、近づくと甘い香りが分かります。花弁は5枚と小さく、離れて見ると茶色い穂にしか見えません。実が黄橙色に色づくのは翌年の6月ごろで、花から半年以上かかります。冬芽も同じ褐色の毛をかぶるため、冬は葉裏と花と芽が同じ色でそろいます。

触れたらどうなるか

葉と枝の表面には短い毛が付きますが、これに触れて起きる刺激は特に知られていません。花や葉の汁についても、報告されている接触の害は見当たりません。注意するのは種子で、アミグダリンという成分を含むため、割ったり口に入れたりしないのが前提になります。6月に落ちた実は歩道で潰れて滑りやすくなり、拾ってよいかどうかは木の持ち主の話として、落ちた実の持ち帰りの側で決まります。

まちがえやすい木

厚い常緑の葉を大きく広げる点で、タブノキやヤマモモと迷います。タブノキの葉は縁に切れ込みがなく裏も緑で、葉柄が赤みを帯び、枝先の芽は大きくふくらみます。ヤマモモも縁がなめらかで、葉は細長く、裏に毛がありません。縁の粗い鋸歯と褐色の葉裏がそろうのはビワだけです。若い株ではユズリハとも迷いますが、こちらは葉柄が赤く、葉の裏が白っぽく見えます。