ヤマボウシ
街路樹
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 初夏(6〜7月)
白い四枚の先が、細くとがって伸びます。葉がすっかり出そろってから咲くので、白い十字はいつも緑の葉の上に浮かんで見えます。
ひと目の手がかり
白い十字に見える4枚は花弁ではなく、花の集まりを囲む苞です。その先が細くとがって伸びるのがヤマボウシで、中心には直径1cmほどの小花が20〜30集まり、球状の花序を作ります。葉が出そろってから咲くため、白は緑の上に載ります。苞は上を向いて開くので、見上げるより坂の上や歩道橋から見下ろすほうが数えやすくなります。国土技術政策総合研究所『わが国の街路樹Ⅸ』では22位、6万2503本でした。
葉と樹皮
葉は枝に対生し、長さ4〜12cmの楕円形でふちが波打ちます。目印は側脈が4〜5対、ふちに沿って弓なりに先へ向かうことで、この葉脈の走り方はミズキの仲間に共通します。裏は白緑色で、脈の分かれ目に褐色の毛が固まります。秋が深まると葉は厚ぼったくなり、ふちが内側へ丸まります。樹皮は太ると不規則な薄片が剥がれて灰色と淡褐色のまだらになり、鹿の子と呼ばれる模様を作ります。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
花期は6月上旬から下旬で、白い苞は古びるにつれて淡い紅を帯びます。雨が続くと苞が茶色く傷み、白さが数日で落ちます。9月から10月には直径1.5〜2.5cmの球形の集合果が赤く熟し、長い柄で下がります。実は熟すと落ち、舗装で潰れて赤い染みと滑りを残します。落葉後の枝先には小さくとがった冬芽が並び、花芽は葉芽よりふくらんで見えます。
触れたらどうなるか
葉と樹皮、実の皮のどれについても、皮膚炎の報告は挙がっていません。手が汚れるのは熟して落ちた集合果の果肉で、赤い色素が指と衣類に残ります。水で洗えば薄れますが、白い衣類には跡が残ります。歩道に潰れた実がたまると滑るため、雨の後は足もとを見て歩きます。街路樹の実を拾えるかどうかは管理者が決めることで、落ちた実の持ち帰りに整理しました。子どもが口に運んだときは子どもが実を口に入れたときを見ます。
まちがえやすい木
分かれ目はハナミズキとの4枚の先です。ハナミズキの苞は先が浅くくぼんで丸く、葉より先に4月から5月に咲きます。長さも違い、ヤマボウシの苞は3〜6cmと細長く見えます。実も別で、ハナミズキは楕円の実が数個付き、ヤマボウシは球形の集合果が一つ下がります。近年は冬も葉を落とさないホンコンエンシスが街に増え、落葉していない同じ形の木に出会います。見方は常緑と落葉にあります。