イヌツゲ
生垣と刈り込み
触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 一年中
ツゲの名で呼ばれますが、モチノキの仲間です。葉が互い違いに付くことがセイヨウツゲとの分かれ目で、国総研の同じ調査ではイヌツゲ類239万本が数えられています。
ひと目の手がかり
葉が枝に互い違いに付く互生ならこちらです(葉序)。向かい合って付くセイヨウツゲと、この一点で分かれます。名前はツゲでもモチノキ科モチノキ属で、冬に赤い実を付けるクロガネモチと同じ属です。葉は長さ1〜3cmの楕円形で厚く、縁に細かい鋸歯が並びます。細い枝が密に出るため、玉散らしや生垣に仕立てられます。
葉と樹皮
葉は互生で、長さ1〜3cmの小さな楕円形です。表面につやがあり、裏に黒っぽい腺点が散らばるのがモチノキ属の印で、ハンドルーペを当てると見えます。縁の鋸歯は浅く丸みを帯び、種小名の crenata もそこから来ています。樹皮は灰白色でなめらか、株元から数本に分かれて立ちます。刈り込むと面が細かくそろい、玉の形が長く保てます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
6月から7月、葉のわきに径4mmほどの白い小さな花が咲きますが、緑に埋もれてほとんど目立ちません。雌雄異株なので、実が付くのは雌株だけです(雌雄異株)。10月から11月に径5〜7mmの黒い球形の実が熟し、葉のあいだに点々と見えます。同じ属のクロガネモチが赤い実を付けるのに対し、こちらは黒いまま冬を越します。
触れたらどうなるか
小さな葉と枝を素手で扱っても、皮膚の症状は知られていません。硬い葉のふちで指をこする程度です。黒い実は口に入れないことが要り、モチノキ属の実は量が多いと吐き気や下痢を起こすとされます。低い生垣は子どもの目の高さに実が来るので、摘ませないようにします(子どもが実を口に入れたとき)。刈り込み直後の葉くずは、流水で洗い流します。
まちがえやすい木
セイヨウツゲと混ざりますが、葉の付き方で片が付きます。互い違いならイヌツゲ、向かい合うならセイヨウツゲです。実の色も別で、こちらは黒、同じ属のクロガネモチは赤です。ツゲの名を分け合うホンツゲはツゲ科で葉が対生し、材が緻密なため櫛や印章に使われてきました。この木の材が同じ用途に向かないことが、イヌの付く名の由来です。