クロマツ
公園と庭の木
触れたときの扱い: 樹液・毛・汁に注意(触れたら洗う) / 見ごろ: 一年中
葉が2本一組で硬く、握ると手のひらが痛む松です。冬から春の新芽が白いこと、樹皮が黒く厚いことを合わせると、アカマツとの区別がその場でつきます。
ひと目の手がかり
マツの仲間かどうかは、葉の束で決まります。針状の葉が2本ずつ組になって出るのが二葉松で、クロマツとアカマツがこれにあたります。分けるのは硬さと色で、クロマツの葉は太く硬く、軽く握ると先が手のひらに刺さります。冬から春に伸びる新芽は白い鱗片に覆われて銀色に見え、遠目にも白く光ります。国土技術政策総合研究所「わが国の街路樹」ではアカマツ・クロマツ類が21位・8万6960本で、うちクロマツが5万4820本を占めます。
葉と樹皮
葉は2本一組の針状で、長さ10cm前後と松の中でも太く硬い部類です。触れると先端が皮膚を押し返す硬さがあり、指で曲げても折れずに戻ります。樹皮は黒褐色から灰黒色で、厚い皮が亀甲状の塊に割れて縦横の溝を作ります。古い幹ほど溝は深く、上部ほど赤みを帯びてうすくはがれるアカマツの樹皮とは、幹を見上げただけで分かれます。根元近くの黒さは遠くからでも目につきます。
季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)
4月から5月、枝先に赤紫の雌花が上向きにつき、その下に黄色い雄花が集まって、風で花粉が飛びます。球果は受粉した翌年の秋に褐色へ熟し、鱗片を開いて翼のある種子を落とします。新芽の白さは冬から春にかけて確かめやすく、常緑なので姿は一年中変わりません。海沿いの防風林では、幹が風下へ傾いてそろう並びがそのまま見どころになります。
触れたらどうなるか
注意する部位は葉の先と幹や枝から出る樹脂の2つです。硬い葉先は握ると皮膚を突き、子どもが枝をつかむと痛みます。松やには水では落ちにくく、成分のロジンは接触皮膚炎の原因として知られます。付いたらこすらず、石けんで洗ってから乾いた布でぬぐいます。落ちた枝を運んだあとに手が黒く残るのはこの樹脂で、衣類につくと繊維に残ります。庭木では幹に触れる機会も多い木です。
まちがえやすい木
相手はアカマツです。葉はアカマツのほうが細く柔らかく、握っても痛みません。新芽の色を見ると迷いが減り、クロマツは白、アカマツは赤褐色です。樹皮も、クロマツの黒く厚い亀甲状の割れに対し、アカマツは幹の上部ほど赤みを帯びてうすくはがれます。海に近い砂地や庭木はクロマツ、内陸の乾いた尾根や里山はアカマツという育つ場所の差も、見当をつける助けになります。