ザクロ

実のなる木

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 初夏(6〜7月)

六月に朱色の花が咲けば、ザクロです。花びらより先に厚い萼が筒になって立ち上がるので、花が散ったあとも形が枝に残ります。

ひと目の手がかり

古い庭や寺社の境内、住宅地の細い路地に残る落葉の小高木で、街路樹の調査には出ません。高さは3〜5mほど、幹はねじれて縦に浅く裂け、根もとから何本も立ち上がります。6月に開く朱色の花がいちばん強い手がかりで、花のない時期は短枝の先が刺のように尖ることと、光沢のある小さな葉で見当を付けます。人の住まない敷地に残る株も多く、その扱いは空き家の庭木の話になります。

葉と樹皮

葉は長さ2〜8cmの倒披針形で、鋸歯がなく縁はなめらか、表面に強い光沢があります。付き方は対生に近く、短い枝では数枚が束のように出ます。新しい葉は赤みを帯び、秋には黄色くなって落ちます。短枝と長枝の差がはっきりした木で、短枝の先はそのまま硬い刺になります。樹皮は灰褐色でねじれ、薄くはがれて下から明るい肌がのぞきます。古い株では幹の断面が波打ちます。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

6〜7月、厚い筒状の萼の先から朱色の花弁が開きます。花弁は薄くしわが寄り、散ったあとも萼は落ちません。萼はそのまま実の外側になり、先端に王冠のような萼片が残るので、実の見分けにも使えます。9〜10月に実が色づき、熟すと割れ目が入って中の粒が見えます。落葉したあとも割れた実が枝に残るため、冬は葉のない枝の実で確かめられます。

触れたらどうなるか

短枝の先が刺状に尖るため、枝の間に手を差し入れると引っかかります。葉や花、果皮に触れて起きる刺激は特に知られていません。幹を傷つけても、粘る樹液は出ません。割れた実の汁は衣類に色が残りやすく、触れた手はその場で拭き取ります。実は枝に付いたまま乾いて硬くなり、落ちると歩道で割れて粒が散ります。拾ってよいかどうかは木の持ち主の話で、落ちた実の持ち帰りの側で確かめます。

まちがえやすい木

花の似るハナザクロと迷います。八重咲きで花弁が多く、実がほとんど付かない系統なので、秋まで見れば分かれます。実の形ではカキノキと紛れますが、ザクロは実の先に萼片が王冠状に立ち、カキノキは枝側のヘタが四枚開きます。葉の光沢と対生に近い付き方も、互生のカキノキとは違います。若木のうちはドウダンツツジのような細かい葉に見えますが、枝先の刺で分かれます。