クロガネモチ

街路樹

触れたときの扱い: 特に知られた刺激はない / 見ごろ: 冬(12〜2月)

決め手は、葉のつけ根の紫色です。若い枝と葉柄が黒みを帯びた紫に染まり、冬には小さな赤い実が枝先を埋めます。

ひと目の手がかり

一年中効く手がかりは若枝と葉柄の紫色です。葉の面ではなく、葉が枝につながる細い柄を見ると、黒みを帯びた紫に染まっています(葉柄)。名の「黒鉄」もこの色に由来します。葉は厚く光沢があり、縁に鋸歯のない全縁です。冬は直径5〜6mmの赤い実が枝先に固まり、遠目には赤い塊として見えます。

葉と樹皮

葉は互生し、長さ4〜7cmの楕円形で先が短く尖ります。手に取ると厚く硬く、表は濃緑で強く光ります。樹皮は灰白色でほぼ平滑、縦の裂け目がなく、細かい皮目が散るのがモチノキ科らしいところです(皮目)。幹に手を当てて滑らかさを確かめると、縦に裂けるケヤキとの差が指先で分かります。全国調査での本数は14万7162本です。

季節の見どころ(花・実・紅葉・冬芽)

12月から2月に赤い実が最も密になります。ただし雌雄異株なので、雄株には実が一つもつきません(雌雄異株)。実のない木を別種と考えないことが要点です。実がなくても葉柄の紫色は一年中残るので、雄株はそちらで引けます。花は5〜6月、淡い紫白色の小花が固まって咲きますが目立ちません。実は鳥が運び、年が明けるころには枝だけが残る木もあります。

触れたらどうなるか

葉・枝・樹皮のいずれにも、知られた刺激の報告はありません。硬い葉先が手に当たる程度です。注意は赤い実で、モチノキ属の果実は量をとると吐き気や下痢を起こすことがあると報告されています。実は低い枝にもつくため、子どもが握ったまま口へ運ぶ場面が起きます(子どもが実を口に入れたとき)。実がつくのは雌株だけですから、この注意が要るのは実の密になる12月から2月に雌株の下を通るときです。

まちがえやすい木

同属のモチノキとソヨゴが紛らわしい相手です。モチノキは葉がさらに厚く、実が直径1cm前後と大きく、枝にほとんど柄なしでつきます。ソヨゴは葉のふちが波打ち、実が2〜4cmの細い柄でぶら下がります。クロガネモチの実は短い柄で房状に固まるので、柄の長さと集まり方で三者が分かれます(核果と液果)。