夜空の見どころ図鑑
プレアデス星団(散開星団)
肉眼で数えられるのは、六つか七つです。空の暗さと視力しだいで数は動き、条件がよければ十個を超えて見えることもあります。1.6等のひとかたまりが、満月四つ分ほどのおよそ2度に広がって見えます。明るい六つが小さな柄杓の形に並び、七つ目まで数えられるかどうかで見え方が分かれます。空が暗く視力もよい条件なら十個を超え…
ヒアデス星団(散開星団)
V字の角で光る赤い星は、この星団の一員ではありません。アルデバランはおよそ65光年の手前にあり、150光年の集団にたまたま重なって見えています。おうし座の顔を作るV字が、そのまま星団の形です。五度を超える広がりは満月十個分にあたり、一つの塊というより「星がまばらに散った領域」として見えます。…
プレセペ星団(散開星団)
肉眼では、粒が一つも分かれません。ぼんやりしたもやが見えるだけで、双眼鏡を向けると数十個の星に割れる——この落差がこの星団の見どころです。輪郭のはっきりしない、小さなもやの塊として見えます。視直径95分は満月三つ分にあたりますが、個々の星は一つも分離せず、指先でこすったような淡い光が残るだけです。…
ペルセウス座二重星団(散開星団)
一つに見えたしみが、双眼鏡で二つに分かれます。肉眼では天の川の中の淡い斑点ですが、半度ほど離れた二つの星団が並んでいます。天の川の中に置かれた、輪郭のぼやけた淡いしみとして見えます。二つの星団の明るさは3.7等と3.8等ですが、光がそれぞれ半度ほどの範囲に散っているため点にはなりません。…
かみのけ座星団(散開星団)
広すぎて、双眼鏡の視野に入りません。約7.5度に星が散っているので、倍率を上げるほど星団らしく見えなくなる珍しい相手です。5等から10等の星が40個ほど、およそ7.5度の範囲にゆるいV字を描いています。満月十五個分の広さに散っているため、見つけた瞬間は星団だと気づきにくいのが特徴です。…
プトレマイオス星団(散開星団)
記録に残る最も古い星団のひとつです。二世紀のプトレマイオスがさそりの針に続く星雲状のものとして書き残し、その名がそのまま残りました。3.3等と明るく、視直径80分——満月二つ半ぶんに星が粗く散った塊です。天の川のいちばん濃いあたりに、少しほどけた光の粒として見えます。日本では南中しても高度20度ほどにしかならず…
バタフライ星団(散開星団)
蝶に見えるかどうかは、双眼鏡の倍率で決まります。明るい星の並びが二つの弧を作り、その間が空いて見えたときだけ羽の形になります。肉眼では4.2等の淡い光の点にしかならず、形までは分かりません。視直径25分は満月一つぶんより小さく、隣のプトレマイオス星団より小さくまとまった側です。天の川の濃い部分に重なるので…
野鴨星団(散開星団)
散開星団なのに、双眼鏡では球状星団に見えます。星が例外的に密集していて、丸い光の塊のまま粒に分かれてくれないためです。肉眼では届かず、視直径22.8分の小さな丸い光として双眼鏡に入ります。NASA は明るさを6.3等としており、粒に分かれない一つのしみに見えるところが他の散開星団と違います。…
ふたご座M35(散開星団)
満月ほどの広がりに、5等の光が置かれています。暗い空では肉眼で淡いしみ、双眼鏡では粒のざらつきまで、見え方が段階的に変わります。全体の等級は5.3、広がりはおよそ28分角で、満月とほぼ同じ面積に光がほどけています。この明るさは百個を超える星に分かれているため、一つの点としては目に入りません。…
おおいぬ座M41(散開星団)
シリウスから双眼鏡を真南へ下げるだけで、視野に入ります。等級4.5、月のない暗い空なら肉眼でも淡い粒として位置を捉えられる明るさです。全体で4.5等、広がりはおよそ38分角あり、満月より少し大きい面積にほどけた光です。月のない暗い空なら肉眼でもぼんやりした丸い染みとして位置が分かり、そらし目で見ると濃さが増します。…
ミザールとアルコル(二重星)
北斗七星の柄の端から二つ目に、寄り添う星があります。離角はおよそ12分角で、視力の試しとして古くから使われてきた対です。おおぐま座の北斗七星、柄の端から二つ目にある2.2等の星に、4.0等の小さな星がおよそ12分角離れて寄り添います。12分角は満月の直径の三分の一強にあたる広い間隔で…
アルビレオ(二重星)
金色と青の対比は、倍率を上げないと出てきません。離角34.3秒角は8倍の双眼鏡には狭く、10倍以上と手ぶれ対策で初めて二つに分かれます。はくちょう座のくちばしにあたる3.1等の星で、肉眼ではただの一つの星としか見えません。すぐ横に5.1等の星が34.3秒角離れていますが、34秒角は満月の直径の五十分の一ほどで…
こと座イプシロン星(二重星)
肉眼で二つ、双眼鏡で楽に二つ、その先は届きません。広いほうの離角は約208秒角で、そのそれぞれがさらに2秒角台の対に分かれています。こと座のベガのすぐ北東で、4.6等と4.7等のほぼ等しい明るさの星がおよそ208秒角、3.5分角離れて並びます。3.5分角は満月の直径の八分の一ほどで…
りゅう座ニュー星(二重星)
同じ明るさの二つが並ぶと、対は離しやすくなります。ともに5等、離角62秒角のこの対は、片方が目立つ組より双眼鏡で分けやすい例です。りゅう座の頭を作る四角形の一角にある星で、肉眼では4.9等ほどの一つの星です。実際はおよそ62秒角離れたほぼ等しい明るさの二つで、62秒角は満月の直径の三十分の一ほど、肉眼では分かれません。…
やぎ座アルファ星(二重星)
並んで見えることと、結びついていることは別です。6.6分角離れた3.6等と4.3等のこの二つは、距離がまったく違う無関係の星です。やぎ座の頭にあたる位置で、3.6等と4.3等の星がおよそ6.6分角、0.11度離れて並びます。6.6分角は満月の直径の五分の一ほどあり、視力がふつうに出ていれば肉眼で二つに分かれます。…
てんびん座アルファ星(二重星)
暗い空では肉眼で二つ、町なかでは双眼鏡が要ります。離角231秒角と広いのに、伴星が5.2等と暗いことがこの境目を作っています。2.7等の主星から231秒角、3.9分角離れて5.2等の星が並びます。3.9分角はこと座イプシロン星の対より広い間隔ですが、伴星が暗いぶん、こちらのほうが肉眼では難しくなります。…
おうし座シータ星(二重星)
ヒアデスのV字の中に、肉眼で二つに割れる星があります。離角は5.62分角、3.4等と3.8等の対で、二つとも星団の一員です。おうし座の顔をつくるV字の、南側の辺の中ほどに並ぶ二つの星です。明るいほうが3.4等、暗いほうが3.8等で、離角は5.62分角あります。満月の視直径の五分の一ほど離れているので…
はくちょう座61番星(二重星)
恒星までの距離が最初に測られた星です。1838年にベッセルが年周視差をとらえ、10光年あまりという答えを出しました。5.2等と6.1等の対です。5.2等と6.1等の、どちらもオレンジ色をした小さな星の対です。肉眼では暗いほうが沈み、一つの淡い星にしか見えません。離角は30秒角ほどで…
こと座デルタ星(二重星)
色の差が双眼鏡ではっきり出る、広い組み合わせです。4.2等の赤い巨星と5.6等の青白い星が約10分角離れていて、低い倍率のほうがよく見えます。こと座の平行四辺形の、北東の角にあたる場所で二つに分かれます。4.2等の赤い星と5.6等の青白い星がおよそ10分角離れた対で、満月の視直径の三分の一にあたる広さです。…
うさぎ座ガンマ星(二重星)
どんな双眼鏡でも余裕で離れる、冬の広い対です。3.6等と6.2等が95秒角離れていて、リゲルから南へ下るだけでたどり着けます。3.6等の黄白色の星に、6.2等の橙色の星が寄り添う対です。離角は95秒角あり、低い倍率の双眼鏡でも十分に離れて見える広さにあたります。肉眼では明るいほうの一つだけが見え…
オリオン大星雲(星雲)
三つ星の下、小三つ星の真ん中がぼやけて見えます。それが星ではなくガスの光で、肉眼で形まで分かる数少ない星雲です。オリオン座の三つ星の南に、小三つ星と呼ばれる縦の並びがあります。その真ん中が点ではなく、輪郭のぼやけた光のしみに見えます。全体の明るさは4等ですが、光が65分角の面に広がっているため…
干潟星雲(星雲)
天の川の中に、暗い空でだけ見える淡いしみがあります。いて座の南斗六星の西にあり、双眼鏡では星の粒とガスの光が重なります。肉眼では天の川の帯の中の、少しだけ濃いしみです。90分角かける40分角と満月三つぶんの幅がありますが、光が薄く広がっているため、市街地の空では背景の明るさに溶けて消えます。…
三裂星雲(星雲)
名前の由来が、目には見えない星雲です。三つに裂ける暗い帯は写真の中の話で、双眼鏡では星のそばの淡い丸にとどまります。6.3等という数字ほどには見えない対象です。光が28分角——満月ほどの面に散っているぶん表面輝度が低く、同じ等級の星のようには目立ちません。双眼鏡では数個の星が集まった場所に…
オメガ星雲(星雲)
双眼鏡で形が分かる、数少ない散光星雲です。見えるのはオメガの字ではなく、水に浮かぶ白鳥のような棒と鉤の形をしています。6.0等の、横に伸びた明るい棒として見えます。肉眼では天の川の粒立ちに紛れますが、双眼鏡に入れるとはっきりした直線の光が浮かび、その一端から淡い光が鉤のように曲がって伸びます。…
わし星雲(星雲)
双眼鏡が捉えるのは、星雲ではなく星の集まりのほうです。ガスは暗い空でようやく星々を包む淡い光として分かる程度で、写真で名高い柱は視野のどこにも出ません。視野に入るのは、十数個の星が三角形に散った集まりです。これが散開星団NGC6611で、星雲を光らせている当の若い星たちにあたります。ガスのほうは…
アレイ星雲(星雲)
等級の数字だけでは、見えるかどうかは決まりません。7.5等のこの星雲が10倍50ミリで捉えられるのは、光が8分角ほどの狭い面に集まっているからです。丸に近い、輪郭のはっきりしたしみとして見えます。大きさは8.0分角×5.6分角、満月の直径の四分の一ほどです。名の由来である亜鈴——二つのふくらみが中央でくびれる形——は…
北アメリカ星雲(星雲)
広いことは、見えやすさとは別の話です。満月十個ぶんを超える面積に光が薄く延びているため、肉眼ではまず天の川の地の色と区別がつきません。見えるのは、天の川の中でわずかに明るいむらです。差し渡しは120分角×100分角、満月十個ぶんを超える面積になりますが…
かに星雲(星雲)
この図鑑の中で、双眼鏡での下限に置く相手です。8.4等の光が7分角ほどの面に散っており、空が暗く目が慣れていなければ背景に埋もれます。淡い楕円の、輪郭のぼやけたしみです。等級は8.4等、大きさは420秒角×290秒角で、差し渡し7分角ほどにしかなりません。郊外の空では背景と区別がつかず、星の間の何もない場所に見えます。…
アンドロメダ銀河(銀河)
肉眼に映るのは、中心の膨らみだけです。写真が3度あまりに広げてみせる渦の腕は、目でも双眼鏡でも姿を現しません。縦に細長い、ぼんやりした光の粒です。等級は3.44等ですが、その光は3.17度×1度の面に散っており、一点あたりの明るさは背景の空に近いところまで下がります。目に届くのは中心の膨らみだけで…
さんかく座銀河(銀河)
5.7等という数字は、肉眼の範囲に見えます。しかし光が70分角の面に散っているため、町なかでは背景から浮かび上がってきません。輪郭のない、丸く淡い光です。等級は5.72等、大きさは70.8分角×41.7分角で、満月二つぶんを超える面に光が延びています。面が広いぶん一点あたりは暗く、街明かりのある空では背景に沈みます。…
子持ち銀河(銀河)
双眼鏡で見えるのは、寄り添う二つの淡い粒までです。渦の腕は出ないので、写真の姿を思い浮かべて探すと視野に入れたまま見落とします。大小二つの、丸い光の粒が寄り添う姿です。合わせて8.4等、本体の大きさは11.2分角×6.9分角で、二つの間隔は視野の中では髪の毛ほどの隙間にしかなりません。郊外の空では小さいほうが消え…
ボーデの銀河(銀河)
双眼鏡で見える銀河としては、明るいほうに入ります。半度あまり離れた葉巻銀河と同じ視野に二つ並ぶことが、この相手のいちばんの取り柄です。楕円形の、中心がやや明るいぼんやりした光です。等級は6.94等、大きさは26.9分角×14.1分角と長いほうが満月ほどあり、銀河としては面の明るさが高く…
葉巻銀河(銀河)
同じ視野に入る二つのうち、細いほうです。丸い光のボーデの銀河と並び、双眼鏡で形の違いが分かる数少ない組み合わせになります。双眼鏡では、細長い棒のような光の筋として現れます。実視等級8.4、見かけの広がりは11.2分角×4.3分角で、長さが幅の2倍半以上ある形が、そのまま向きのある淡い線として残ります。…
ちょうこくしつ座銀河(銀河)
日本では、南の低いところにしか上がりません。明るさは8等でも、南中高度がおよそ30度にとどまるため、南の視界がどれだけ開けているかで見え方が変わります。細長い紡錘形の光として見えます。実視等級8.0、広がりは27.5分角×6.8分角で、満月ほどの長さがありながら幅は4分の1ほどです。ただし赤緯はマイナス25度…
ヘルクレス座大星団(球状星団)
双眼鏡では、粒に割れないまま丸く光ります。北天でいちばん明るい球状星団のひとつですが、縁のぼやけた光の玉にとどまるところが見どころです。中心が白く、外へ向かってなだらかに淡くなる丸い光です。実視等級5.8、広がりは20分角ほどで、満月の3分の2ほどの面積に光が詰まっています。双眼鏡では周辺の星まで粒に分かれず…
いて座M22(球状星団)
明るさではM13を上回りますが、低さで損をしています。実視等級5.1は日本から見える球状星団でいちばん明るい部類で、それでも名が通らないのは南の低空にあるためです。視野の中でひときわ大きな丸い光として現れます。実視等級5.1、広がりは32分角で、満月とほぼ同じ面積を占めます。中心は濃いものの外側との差はゆるやかで…
へび座M5(球状星団)
芯の濃さが、この星団の見どころです。実視等級5.6でヘルクレス座大星団と並ぶ北天の代表格ですが、中心から外へ急に淡くなる落ち方が違います。小さく濃い芯を、淡い暈が囲む形に見えます。実視等級5.6、広がりは23分角と、数字の上ではM13より大きいのですが、光が中心に寄っているぶん視野では締まった玉に映ります。…
ペガスス座M15(球状星団)
双眼鏡では、恒星と紛れる小さな光です。中心の密集が極端で光が一点に寄るため、面積のある星団らしさが出ないまま星の並びに混ざります。小さく丸く、中心に向かって急に明るくなる光です。実視等級6.2、広がりは18分角ですが、光の大半が中心の数分角に集まっているため、視野では点に近い姿になります。周りの恒星と大きさが変わらず…
さそり座M4(球状星団)
道順はいちばん易しく、見えるかどうかは難しい星団です。アンタレスの西1.3度に位置しますが、光が広がって面が暗く、空が明るいと消えてしまいます。輪郭のはっきりしない、ゆるく広がった丸い染みに見えます。実視等級5.6は明るい部類ですが、26分角——満月に近い広さに散っているため単位面積あたりの明るさが低く…
りょうけん座M3(球状星団)
目じるしの乏しい春の空で、道順そのものが読みどころです。アークトゥルスとコル・カロリを結ぶ26度の線の中ほどに、丸い綿のような光があります。縁のやわらかい、綿を丸めたような光に見えます。実視等級6.2、広がりは18分角で、ヘルクレス座大星団と同じ丸さでありながら一回り小さく感じます。…
アルゴル(変光星)
2.1等の星が、2.87日ごとに3.4等まで落ちます。下がりきって戻るまでが10時間ほどなので、一晩のうちに変化を追いきれる数少ない肉眼の星です。ふだんは2.1等で、ペルセウス座の中ではα星に次ぐ二番目の明るさとして並んでいます。2.87日ごとにその光が落ち…
ミラ(変光星)
同じ星が、見える時期と消える時期を繰り返します。およそ332日の周期で2等から10等まで動き、極大では肉眼で、極小では双眼鏡でも捉えられなくなります。2.0等から10.1等まで動きます(変光星総合カタログ)。明るさにすると1700倍ほどの開きで、極大の回でも2等まで上がるとはかぎらず…