りゅう座ニュー星
二重星
見え方: 双眼鏡で見える
同じ明るさの二つが並ぶと、対は離しやすくなります。ともに5等、離角62秒角のこの対は、片方が目立つ組より双眼鏡で分けやすい例です。
何がどう見えるか
りゅう座の頭を作る四角形の一角にある星で、肉眼では4.9等ほどの一つの星です。実際はおよそ62秒角離れたほぼ等しい明るさの二つで、62秒角は満月の直径の三十分の一ほど、肉眼では分かれません。四角形の四つの角のうちいちばん暗い一つにあたり、周りに明るい星が少ないため、街の空では星の並びを見つけること自体に手間がかかります。暗い空でなら、頭の四角形はすぐ目に入ります。
探しかた(目じるしからの道順)
りゅう座の頭はこと座のベガの北にあり、ベガから北へ双眼鏡の視野三つぶんほど進むと小さな四角形が入ります。そのいちばん暗い角が目あてです。日本の緯度では周極星で一年中沈まないため、季節を選ばずに辿れます。ただし秋から冬の宵は北の低い空へ下がり、街あかりと大気のゆらぎが重なって二つが分かれにくくなります。頭が高く上がる初夏から夏の宵がいちばん条件よく見られます。
双眼鏡で何が増えるか
7倍の双眼鏡でも、二つは細く割れて見えます。等しい明るさの対は片方の光が相手を覆い隠さないぶん、離角が同じでも明るさの差が大きい対より分けやすくなります。離角34.3秒角のアルビレオが10倍でも手強いのに対し、こちらは62秒角と広く、難度がはっきり下がります。双眼鏡を固定して数秒待つと二つの間が黒く抜け、そこで初めて対だと分かります。
写真との落差
写真では同じ大きさの光の玉が二つ並んだ、記号のように整った姿に写ります。露光をかければ二つとも丸く飽和し、実際には白っぽい色も画像処理で青や黄に寄ります。目と双眼鏡に届くのは細く割れた二本の光で、丸い玉が並ぶようには見えません。手ぶれが残れば割れ目が埋まり、写真とは別物の一つの光に戻ります。整った画像より、割れ目が見えた瞬間のほうがこの対の中身です。
正体
およそ99光年先にある、よく似た二つの白いA型の星です。二つの間に軌道の動きはまだ捉えられておらず、実際の間隔は1900天文単位ほどと広いため、一周には数万年かかると見積もられています。片方はさらに38日の周期で回る近い組を抱えています。固有名の「クマ」はこの対に与えられた名で、別々に呼ぶときは番号でニュー1・ニュー2と分けます。