ペガスス座M15
球状星団
見え方: 双眼鏡で見える
双眼鏡では、恒星と紛れる小さな光です。中心の密集が極端で光が一点に寄るため、面積のある星団らしさが出ないまま星の並びに混ざります。
何がどう見えるか
小さく丸く、中心に向かって急に明るくなる光です。実視等級6.2、広がりは18分角ですが、光の大半が中心の数分角に集まっているため、視野では点に近い姿になります。周りの恒星と大きさが変わらず、ピントの外れた星と取り違えることが起きます。淡い暈があるかどうかが分かれ目で、恒星なら周りに何も広がらず、こちらは芯の外へ光がにじみます。街の空ではその暈が消え、見分けの手がかりごと失われます。
探しかた(目じるしからの道順)
秋の宵、ペガスス座の四辺形から鼻先のエニフまで下ります。エニフから北西へ4度、双眼鏡の視野の半分ほど動かした先に光ります。エニフを視野の南東の端に置くと、反対の縁あたりに入ります。秋の空では珍しく道のりが短く、迷いにくい辿り方です。視野に入っても恒星と紛れる小ささなので、像を止めて、にじんで見える一点だけを残すという確かめ方が要ります。
双眼鏡で何が増えるか
肉眼では届かず、双眼鏡で初めて存在が分かります。7倍50ミリ級では光が点から少しにじんだ程度で、周りの星との差はわずかです。そらし目で視野の中心から外すと、恒星は点のまま、こちらだけがふくらんで見えます。このふくらみ方の違いが、双眼鏡で分かることのほとんどです。粒には割れず、芯の内側も溶けたままで、像を止めるほどにじみの縁がはっきりします。
写真との落差
写真では中心の一点が白く飛び、周囲に青と橙の粒が散ります。露光を重ねると中心が明るすぎて分離しないほどで、目には芯の輝きも色も出ません。双眼鏡に残るのは灰白色のにじんだ点だけです。NASAが挙げる中心のブラックホールも、見た目には手がかりを残しません。核が縮み切っているという特徴も、写真の側でだけ姿になります。
正体
中心核が縮み切った球状星団の代表例です。星どうしの重力のやり取りで重い星が中心へ沈み、核が収縮したまま止まった状態を「核の崩壊」と呼びます。双眼鏡で点に近く見えるのも、この光の寄り方から来ています。距離はおよそ3万4千光年、年齢は120億年ほどとされます。同じ秋の空のみずがめ座M2とは、赤緯で13度ほど離れている点で切り分けます。