ちょうこくしつ座銀河

銀河

見え方: 空が暗ければ双眼鏡で

日本では、南の低いところにしか上がりません。明るさは8等でも、南中高度がおよそ30度にとどまるため、南の視界がどれだけ開けているかで見え方が変わります。

何がどう見えるか

細長い紡錘形の光として見えます。実視等級8.0、広がりは27.5分角×6.8分角で、満月ほどの長さがありながら幅は4分の1ほどです。ただし赤緯はマイナス25度、本州では南中しても高度30度前後までしか上がりません。低いところでは光が薄く延び、端のほうから背景に溶けていきます。形として捉えられるのは南中をはさんだ時間だけで、南に建物や山があれば等級のわりに何も残りません。

探しかた(目じるしからの道順)

秋の南の空で、くじら座のベータ星ディフダを起点にします。ディフダからほぼ真南へ7度あまり、腕を伸ばしたこぶし1つ半ぶん下ろした先です。ちょうこくしつ座はいちばん明るい星でも4等台で、途中に手がかりがありません。星図帳で位置を確かめてから双眼鏡を向けると、迷いが少なくなります。探すのはディフダが真南に来る前後の時間帯にし、南の地平まで見通せる場所を先に決めておきます。

双眼鏡で何が増えるか

肉眼では光の点としても拾えず、双眼鏡で初めて向きのある光になります。7倍50ミリ級なら細長さが分かり、視線を少しずらすそらし目で端が伸びます。空の暗い場所では中心の濃い部分と端の淡い部分の差まで出ます。高度が低いぶん大気減光が効き、南の地平が開けていない場所では見つかりません。像を止めて数十秒ねばると、はじめは点に見えていた光が長さを持ちはじめます。

写真との落差

写真では、黄色みを帯びた円盤に暗い塵の筋が幾重にも刻まれます。露出を積み重ねた姿で、目や双眼鏡に届くのは色のない灰白色のぼんやりした光です。「銀貨銀河」は英語圏の通称の訳で、正式なカタログ名ではありません。視野に硬貨のような縁が出るわけでもありません。目に残るのは輪郭の決められない細長い明るみだけで、塵の筋は一本も分かれません。

正体

星を盛んに作っている、近い銀河です。1783年にキャロライン・ハーシェルが彗星を探す途中で見つけました。距離はおよそ1140万光年で、ちょうこくしつ座グループでいちばん明るい一員です。ESOはこの銀河を空でも指折りに明るい渦巻きであり、同時にもっとも塵の多い一つと説明しています。