ヒアデス星団

散開星団

見え方: 肉眼で見える

V字の角で光る赤い星は、この星団の一員ではありません。アルデバランはおよそ65光年の手前にあり、150光年の集団にたまたま重なって見えています。

何がどう見えるか

おうし座の顔を作るV字が、そのまま星団の形です。五度を超える広がりは満月十個分にあたり、一つの塊というより「星がまばらに散った領域」として見えます。目に入るのは4等から6等の星が十数個ほどで、プレアデス星団のような密なひとかたまりにはなりません。V字の右の角にある赤いアルデバランがいちばん目立ちます。

探しかた(目じるしからの道順)

オリオン座の三つ星を右上へ延ばした先の、赤い一等星アルデバランがV字の角にあたります。そこからさらに北西へ進むとプレアデス星団なので、三つ星から順にたどれば二つの星団を続けて拾えます。冬の宵に南の空を上がり、南中のころは高度71度と天頂近くまで来るため、低空の霞には邪魔されません。月の近い夜はV字の暗い側が背景に溶け、角の赤い星だけが残ります。

双眼鏡で何が増えるか

V字の線と線の間が、星で埋まります。星団の広がりが五度を超えるため、実視界5度前後の双眼鏡ではV字の全体が入りきらず、片方の腕ずつ視野を送って見ることになります。角のおうし座シータ星は二つに割れ、周囲にも二重星が現れます。倍率を上げるほど星団としてのまとまりは失われ、ただの星野に近づきます——広い相手ほど低い倍率が向きます。

写真との落差

写真では、V字が星の粒で埋まった密な集団に写ります。広角のレンズで長時間露光をかけると暗い星まで拾われ、目に届く十数個との差が開くためです。実際に分けて見えるのはその一部で、色は赤いアルデバラン以外ほぼ白っぽく感じられます。星団に星雲は付いておらず、画像に色が乗るのは星そのものの色の差だけです。

正体

およそ150光年先にある、地球からもっとも近い散開星団のひとつです。エッゲンは1982年に142光年という値を出しており、その後の測定も150光年前後に収まっています。明るい星が約40個、集団の直径は30光年ほどと見積もられています。アルデバランは約65光年と手前にあり、この集団とは無関係の星です。