ヘルクレス座大星団
球状星団
見え方: 双眼鏡で見える
双眼鏡では、粒に割れないまま丸く光ります。北天でいちばん明るい球状星団のひとつですが、縁のぼやけた光の玉にとどまるところが見どころです。
何がどう見えるか
中心が白く、外へ向かってなだらかに淡くなる丸い光です。実視等級5.8、広がりは20分角ほどで、満月の3分の2ほどの面積に光が詰まっています。双眼鏡では周辺の星まで粒に分かれず、縁のぼやけた綿玉のまま止まります。空が暗いほど輪郭が外へ広がり、街では中心の芯だけが小さく残ります。見えているのは数十万個の星の光が溶け合った一つの面で、粒を数えられる相手ではありません。
探しかた(目じるしからの道順)
夏の空で、ヘルクレス座のキーストーンと呼ぶ四角形を先に押さえます。ゼータ星とエータ星を結ぶ西側の辺の、エータ星から3分の1ほど下がった位置にあります。辺の長さはおよそ7度。7倍の双眼鏡なら実視界が6度から7度あり、辺の全体がほぼ収まります。なぞる途中で丸い光が横切ります。辺の上を行き来させ、点ではなく膨らみのある光を拾うのが確かで、四角形の星が見えない空では起点から作れません。
双眼鏡で何が増えるか
肉眼では、条件のよい夜にようやく淡い点として気づく明るさです。双眼鏡を向けると面積のある光に変わり、丸さと中心の濃さが分かります。倍率を上げても粒には割れません。双眼鏡で足されるのは大きさの実感だけです。暗順応が進む20分ほどを待つと外側が広がり、月明かりの下では小さな染みに縮みます。
写真との落差
写真の姿は、数十万の星が粒として敷き詰められた球です。大きな口径で長時間露光した像で、双眼鏡の視野に同じ粒は現れません。見えるのは白っぽい一つの光の塊で、星の色も出ません。7倍50ミリ級で届くのは、縁がわずかにざらつく手ざわりまでです。写真の粒を目でも探そうとすると、見えていないと感じ続けることになります。面の広がりと中心の濃さを見くらべるほうが、この相手には合っています。
正体
数十万個の星が重力で集まった球状星団です。星の数は30万個から50万個以上まで見積もりに幅があり、直径はおよそ145光年、距離は2万2千光年から2万5千光年とされています。1974年、アレシボの電波望遠鏡から人類の情報を載せた電波がこの方向へ送られました。届くのは2万5千年ほど先です。