アレイ星雲

星雲

見え方: 双眼鏡で見える

等級の数字だけでは、見えるかどうかは決まりません。7.5等のこの星雲が10倍50ミリで捉えられるのは、光が8分角ほどの狭い面に集まっているからです。

何がどう見えるか

丸に近い、輪郭のはっきりしたしみとして見えます。大きさは8.0分角×5.6分角、満月の直径の四分の一ほどです。名の由来である亜鈴——二つのふくらみが中央でくびれる形——は、この倍率では左右の濃淡がわずかに分かるかどうかで、少し四角ばった印象に留まります。色は付かず、白か薄い灰色の光です。

探しかた(目じるしからの道順)

こと座のベガとわし座のアルタイルの間に、矢の形をした小さなや座があります。その矢じりの先の星から真北へ3度あまり——低倍率の双眼鏡なら視野の半分ほど辿ると、視野にしみが入ります。や座自体が暗いので、先に天の川の帯を見つけてその中を探すほうが早く、市街地では矢の形そのものが消えて起点を失います。ベガとアルタイルを結んだ線を目で押さえ、その中ほどへ双眼鏡を向けるのが、起点を作り直す手です。

双眼鏡で何が増えるか

肉眼ではまったく分からない相手なので、双眼鏡が加えるのは「見えるか見えないか」そのものです。10倍50ミリで背景の星より明らかに膨らんだ光の塊と分かり、視野の中心から少し外して見ると輪郭が一段はっきりします。手持ちでは細かな揺れで淡い縁が流れ、実際より小さく見えます。双眼鏡用の三脚が効くのはこの段です。

写真との落差

写真のアレイ星雲は、青緑の本体を赤い外縁が囲む二重の球に写ります。この色は長時間露光で酸素と水素の光を溜めた結果で、目の側は色を感じるほどの明るさを受け取れません。実際に届くのは灰色がかった白いしみだけです。写真がふくらみの間のくびれをくっきり出すのも、露光が淡い部分まで拾うためです。

正体

太陽ほどの重さの星が、最期に自分の外層を放り出した跡です。中心には残った芯である白色矮星があり、その紫外線が広がったガスを光らせています。距離はおよそ1200光年、NASA のメシエ一覧による値です。惑星状星雲という名は惑星と関わりがなく、小さな円盤に見えたことから付いた古い呼び方にすぎません。