いて座M22
球状星団
見え方: 双眼鏡で見える
明るさではM13を上回りますが、低さで損をしています。実視等級5.1は日本から見える球状星団でいちばん明るい部類で、それでも名が通らないのは南の低空にあるためです。
何がどう見えるか
視野の中でひときわ大きな丸い光として現れます。実視等級5.1、広がりは32分角で、満月とほぼ同じ面積を占めます。中心は濃いものの外側との差はゆるやかで、ぼんやりした縁が広く残ります。明るさも大きさもヘルクレス座大星団を上回るのに名が通らないのは、この位置の低さによります。南中しても高度はおよそ30度にとどまり、地平近くの霞に沈むと同じ双眼鏡でも面積が縮みます。
探しかた(目じるしからの道順)
いて座の南斗六星を、ひしゃくの形として先に押さえます。ふたの北端にあたるラムダ星から北東へ2度半ほど。ラムダ星を視野の南西の端に置くと、反対側の縁に丸い光が入ります。天の川の濃い部分と重なるので、背景の星の粒とは面積があるかどうかで見分けます。探すのは南中をはさんだ短い時間にし、南の低い空に街明かりや靄がある場所では、南斗六星の形からして怪しくなります。
双眼鏡で何が増えるか
空が暗ければ肉眼でも淡い点として見つかる明るさです。双眼鏡では面積のある光に変わり、7倍50ミリ級で縁のざらつきまで届きます。M13より距離が近く、星と星の間隔が広いぶん、周辺部に粒へ割れかけた粗さを感じることがあります。高度が低く大気減光が効くので、濃く見えるのは南中前後の短い時間です。
写真との落差
写真では金や青の粒が数え切れないほど写り、中心まで星が分離します。長時間露光で集めた像で、双眼鏡の視野に残るのは色のない白っぽい光の玉だけです。写真がやや赤みを帯びるのは低空の大気を斜めに通った結果で、星団そのものの色ではありません。目に残るのは縁がざらつく程度までで、粒として数えられる段には届きません。同じ低さは、写真の側でも像を甘くします。
正体
銀河系の中心方向にある、太陽系に近い球状星団です。距離はおよそ1万600光年、直径70光年ほどの範囲に星が集まっています。シャプレーの1930年の見積もりでは7万個ほど。近いために視直径が大きく、明るさと広がりの両方でヘルクレス座大星団を上回りながら、赤緯マイナス24度という位置が日本での見え方を決めています。