かみのけ座星団

散開星団

見え方: 空が暗ければ肉眼で

広すぎて、双眼鏡の視野に入りません。約7.5度に星が散っているので、倍率を上げるほど星団らしく見えなくなる珍しい相手です。

何がどう見えるか

5等から10等の星が40個ほど、およそ7.5度の範囲にゆるいV字を描いています。満月十五個分の広さに散っているため、見つけた瞬間は星団だと気づきにくいのが特徴です。暗い空では何もないはずの場所がうっすら粒立って見えます。市街地の空では明るい数個しか残らず、V字はほどけて消えます。

探しかた(目じるしからの道順)

しし座の尾のデネボラと、うしかい座のアークトゥルスを結んだ線の、しし座寄り三分の一あたりです。かみのけ座自体に明るい星がないので、両端の一等星から挟むのが確かです。春の宵に天頂近くを通り、南中では天頂まであと9度という高さになります。低空の霞とは無縁ですが、街明かりには弱い相手です。

双眼鏡で何が増えるか

視野に全部は入りません。星の散る範囲がおよそ7.5度あるため実視界7度の双眼鏡でもぎりぎりで、倍率が低いほど星団らしく見えるという逆の関係になります。視野を端から端へ動かすと明るい星の並びが順に現れ、個々の星の色の差が分かる程度には拾えます。肉眼で全体のゆるいV字を眺めてから双眼鏡で細部を拾うと、二つの見え方を比べられます。

写真との落差

写真では、広すぎて画角に収まらないため、星団としては写しにくい相手です。望遠レンズで一部を切り取るとただの星野になり、広角で撮ると背景の星に埋もれて群れが判別できません。ほかの見どころが写真のほうへ情報を持っていくのに対し、ここでは向きが逆になります。長時間露光の見栄えがしない代わりに、数度をひと目で見渡せる肉眼のほうが有利という珍しい天体です。

正体

およそ280光年先にある、年齢4億5000万年ほどの散開星団で、メロッテ111という番号で呼ばれます。同じ方向にある「かみのけ座銀河団」とは別物で、あちらはおよそ3億2000万光年先の銀河の集まりです。手前の星の集まりと、はるか遠くの銀河の集まりが、たまたま同じ窓に重なっています。