アルゴル

変光星

見え方: 肉眼で見える

2.1等の星が、2.87日ごとに3.4等まで落ちます。下がりきって戻るまでが10時間ほどなので、一晩のうちに変化を追いきれる数少ない肉眼の星です。

何がどう見えるか

ふだんは2.1等で、ペルセウス座の中ではα星に次ぐ二番目の明るさとして並んでいます。2.87日ごとにその光が落ち、いちばん暗いところで3.4等になります(変光星総合カタログ)。落差は1.3等、明るさにして3倍あまりです。色も位置も形も変わらず、動くのは点の明るさだけなので、星座の中の順位が二番目から六番目へ入れ替わったかどうかで気づく変化です。

探しかた(目じるしからの道順)

ペルセウス座でいちばん明るいα星ミルファク(1.8等)を見つけ、そこから南へ9度ほど下がった一点がアルゴルです。判定は見比べで行います。アンドロメダ座のβ星ミラク(2.05等)と並ぶ明るさなら通常、ペルセウス座γ星(2.93等)よりはっきり暗ければ食の最中です。低い高度では大気減光で暗く見えるため、同じくらいの高さの星と比べます。

双眼鏡で何が増えるか

比べる相手が同じ視野に入らないので、判定そのものは肉眼のほうが速い対象です。7倍の双眼鏡の実視界は7度前後で、ミラクまでは20度以上離れています。効くのは別のところで、街明かりの下で3.4等まで落ちても星を見失わずに済む点と、視野に入る暗い星が増えて位置を確かめられる点です。2度ほど隣のρ星は自身が3.3〜4.0等の間で変わるため、比較には使えません(GCVS)。

写真との落差

本や記事で目にするのは横軸に時間をとった光度曲線で、V字に落ちて戻る形が一目で分かります。空にその折れ線は出ません。見えるのは点の明るさだけで、一晩見張っても形としては現れない値の動きです。長時間露光の星野写真も判定には向きません。写真では明るい星ほど像が大きく滲むため、1.3等の差が点の大きさの差に化けてしまいます。

正体

二つの星が回り合い、暗いほうが明るいほうの手前を横切る食連星です。1667年にモンタナリが変化に気づき、1783年にグッドリックが王立協会で「暗い天体が前を通っている」という説明を出しました。同じカタログの分類はEA/SD型、周期2.8673日、食の続く時間は周期の14パーセントで、約10時間にあたります。名はアラビア語の「魔物の頭」に由来しますが、その名と変光を結ぶ読みは後世のものです。