プトレマイオス星団
散開星団
見え方: 空が暗ければ肉眼で
記録に残る最も古い星団のひとつです。二世紀のプトレマイオスがさそりの針に続く星雲状のものとして書き残し、その名がそのまま残りました。
何がどう見えるか
3.3等と明るく、視直径80分——満月二つ半ぶんに星が粗く散った塊です。天の川のいちばん濃いあたりに、少しほどけた光の粒として見えます。日本では南中しても高度20度ほどにしかならず、南に建物や山があると等級のわりに見つかりません。海辺や平野で南が開けていれば、肉眼でも位置は分かります。
探しかた(目じるしからの道順)
さそり座の尾を先端までたどり、針にあたる二つの星から東へ少し進んだところにあります。すぐ北にバタフライ星団が並ぶので、二つまとめて同じ双眼鏡の視野に入れられます。夏の宵に真南へ来ますが、南中しても高度は20度ほどで、南中の前後1時間を外すと高度が下がり、探すのが急に難しくなります。南の地平がどこまで見えている場所かを先に確かめてから向かうと、空振りが減ります。
双眼鏡で何が増えるか
十数個の明るい星が、はっきりした点に分かれます。星のまばらさがそのまま出るので、粒が大きく、間隔の広い星団として見えます。低い空では大気減光に食われ、同じ双眼鏡でも高い空の星団ほどには粒が増えません。南の水平線近くの薄雲や街明かりを避けられる場所を選ぶと、見え方が大きく変わります。
写真との落差
写真では、天の川の星の海に浮かぶ黄色や青の粒として写ります。長時間露光では背景の無数の星まで拾われるため、星団の輪郭は画像のほうがはっきりします。目と双眼鏡では背景と星団の境目が曖昧で、色もほとんど白っぽく見えます。双眼鏡で数えられるのは明るい十数個にとどまり、千個を超えるとされるメンバーの大半は写真の側にしかありません。低空で撮ると大気の色づきで全体が赤みを帯びます。
正体
およそ980光年先にある、年齢2億年ほどの散開星団です。プトレマイオスが西暦130年ごろに星雲状の天体として記録し、M番号が付く前から知られていた数少ない天体になりました。ホディエルナは1654年より前に30個の星を数え、ジョン・ハーシェルは「粗く散らばった」集団と書いています。実際のメンバーは千個を超えると見積もられています。