葉巻銀河
銀河
見え方: 空が暗ければ双眼鏡で
同じ視野に入る二つのうち、細いほうです。丸い光のボーデの銀河と並び、双眼鏡で形の違いが分かる数少ない組み合わせになります。
何がどう見えるか
双眼鏡では、細長い棒のような光の筋として現れます。実視等級8.4、見かけの広がりは11.2分角×4.3分角で、長さが幅の2倍半以上ある形が、そのまま向きのある淡い線として残ります。同じ視野のボーデの銀河が丸い楕円に見えるのに対し、こちらにははっきりした細長さがあります。面が暗いので、街明かりの残る空では線としてつかめないまま視野に沈みます。
探しかた(目じるしからの道順)
北斗七星のひしゃくの底、フェクダからドゥーベへ引いた対角線を、同じ長さだけ先へ延ばします。二つの星の間隔はおよそ10度で、ドゥーベからさらに10度進んだあたりに二つの銀河が並びます。道順はボーデの銀河と共通で、明るく丸いほうがそちら、北へ0.6度離れた細いほうがこちらです。途中に目じるしになる星がなく、行きすぎやすい方向です。
双眼鏡で何が増えるか
倍率ではなく、形の手がかりが増えます。口径50ミリの7倍で光の点ではなく短い筋として認識でき、そらし目を使って視野の中心から少し外すと長さが伸びます。粒も渦も分かれません。ひじを何かに預けて像の揺れを止めると、手で構えていたときには気づかない両端の淡い部分が出てきます。同じ視野のボーデの銀河と見くらべると、こちらだけに向きがあることがはっきりします。
写真との落差
写真の葉巻には、中心から上下へ噴き出す赤い筋が写ります。水素の出す光を何十分も写し込んだもので、目にも双眼鏡にも色としては出ません。実際に届くのは灰白色の細い光だけです。NASAが挙げる「星の生まれる速さが銀河系全体の10倍」という激しさも、見た目には何も現れません。写真と目で共通しているのは細長い向きだけで、そこを手がかりに探すほうが見つかります。
正体
星を爆発的に作っている銀河です。NASAは中心部で星の生まれる速さが銀河系全体の10倍に達するとし、隣のボーデの銀河との重力のやり取りが1億年ほど前に始まってこの状態を招いたと説明しています。距離はおよそ1200万光年。細長く見えるのは円盤をほぼ真横から見ているためで、生まれた星の風が上下へ吹き出しています。