ミラ
変光星
見え方: 肉眼で見える
同じ星が、見える時期と消える時期を繰り返します。およそ332日の周期で2等から10等まで動き、極大では肉眼で、極小では双眼鏡でも捉えられなくなります。
何がどう見えるか
2.0等から10.1等まで動きます(変光星総合カタログ)。明るさにすると1700倍ほどの開きで、極大の回でも2等まで上がるとはかぎらず、3等台や4等台で止まる回もあります。明るい時期は赤みの強い一点としてくじら座の胴のあたりに立ち、下り坂に入ると同じ場所から星が抜け落ちたように見えます。一晩では変化がほとんど無く、動きが分かるのは週の単位です。
探しかた(目じるしからの道順)
くじら座の頭にあるα星メンカル(2.5等)から西南西へ7度でδ星(4.1等)、同じ向きにもう6度進んだ位置がミラです。目じるしのδ星が4.1等なので、ミラが4等前後まで落ちた回には見分けがつきません。先に二つの星の並びで位置を決め、それから明るさを比べる順にします。秋の宵に南の空へ回ってきます。
双眼鏡で何が増えるか
肉眼から落ちたあとの下り坂と上り坂を、そのまま追えるようになります。6等あたりで肉眼から消えても、双眼鏡なら暗い側へもうしばらく残ります。7倍50ミリで届く限界は空の暗さ次第で、暗い空なら9等台、街の明かりの下では8等ほどが目安です。底の10.1等はどちらでも捉えられず、見つからない期間が残ります。そらし目に切り替えると赤い星は拾いやすくなります。
写真との落差
色を強めた画像では真っ赤な球に見えますが、目に届く色はオレンジがかった程度で、極大でも形は点のままです。出回る写真の多くは明るい時期に撮られていて、暗い時期の姿とは同じ条件で並びません。長時間露光なら極小の10等も写りますが、肉眼と双眼鏡の側では、その期間がそのまま空白になります。
正体
星そのものが膨らみ縮む脈動変光星で、正体は赤色巨星です。日本天文学会『天文学辞典』はミラ型を漸近巨星分枝段階の赤色巨星に見られる周期の長い脈動変光星と定義しています。アルゴルが二つの星の食で暗くなるのに対し、こちらは一つの星の大きさと温度が動くために変わります。1596年にファブリキウスが記録したときは新星と受け取られ、1609年に同じ場所で見つけ直すまで、また戻る星だとは分かりませんでした。