へび座M5

球状星団

見え方: 双眼鏡で見える

芯の濃さが、この星団の見どころです。実視等級5.6でヘルクレス座大星団と並ぶ北天の代表格ですが、中心から外へ急に淡くなる落ち方が違います。

何がどう見えるか

小さく濃い芯を、淡い暈が囲む形に見えます。実視等級5.6、広がりは23分角と、数字の上ではM13より大きいのですが、光が中心に寄っているぶん視野では締まった玉に映ります。M13が縁までなだらかに続くのに対し、こちらは芯の外で明るさが急に落ちます。街の空では芯だけが点として残ります。同じ夜にヘルクレス座大星団と続けて見ると、大きさより明暗の落ち方で差が出ることが分かります。

探しかた(目じるしからの道順)

春から夏の宵、アークトゥルスを起点に南東へ20度あまり進みます。へび座の頭のウヌクアルハイから南西へ7度半ほど、5番星のすぐ北西22分角が目当ての場所です。周りに目じるしの星が乏しいので、5番星を視野に入れてから北西の縁を探すと取りこぼしが減ります。探すのは点ではなく、芯の周りに淡い暈をまとった光で、芯だけを見ていると近くの星と見分けがつきません。

双眼鏡で何が増えるか

芯の見え方に差が出ます。7倍50ミリ級では中心の小さな核が点に近く締まり、その周りを淡い光の輪が囲みます。粒には割れず、足されるのは明暗の段差の情報です。双眼鏡用の三脚に載せて像を止めると、手持ちでは同じに見えた芯と周辺が分かれます。赤緯プラス2度、本州からの南中高度は57度ほどです。

写真との落差

写真では黄色や橙の星の粒が中心まで分離し、外へ伸びる星の列まで写ります。追尾しながら露出を重ねた像で、双眼鏡には色のない白い光としてしか届きません。古い星団ほど赤い星が多く、写真の色みはその性質を映していますが、暗い光では暗所視に切り替わり、目には灰白色に見えます。外へ伸びる星の列も同じで、双眼鏡に残るのは丸い暈の縁までです。

正体

銀河系でも古い部類に入る球状星団です。距離はおよそ2万4500光年。NASAは星の大半が120億年以上前に生まれたとし、年齢の見積もりには106億年とする値もあって幅があります。変光星が105個、うち97個がこと座RR型です。りょうけん座M3とは、赤道寄りに位置する点で切り分けられます。