オリオン大星雲
星雲
見え方: 肉眼で見える
三つ星の下、小三つ星の真ん中がぼやけて見えます。それが星ではなくガスの光で、肉眼で形まで分かる数少ない星雲です。
何がどう見えるか
オリオン座の三つ星の南に、小三つ星と呼ばれる縦の並びがあります。その真ん中が点ではなく、輪郭のぼやけた光のしみに見えます。全体の明るさは4等ですが、光が65分角の面に広がっているため、同じ4等の星よりずっと淡く感じます。街の空では白くにじんだ小さな雲、郊外の暗い空なら左右に広がりのある形まで分かります。
探しかた(目じるしからの道順)
冬の南の空で三つ並んだ星、オリオンの三つ星を見つけます。その線から南へ、こぶしの半分ほど下ると、縦に小さな星が三つ並んでいます。この小三つ星の真ん中だけがにじんで見えるなら、それが目的の場所です。本州からは冬の宵に南中高度50度前後まで昇るので、建物や木の影に隠れにくい対象です。低い空では街あかりに負けます。
双眼鏡で何が増えるか
7倍でも、灰色の光が左右に翼を広げた形にふくらみます。濃い中心から東西へ淡い腕が伸び、南側が細く切れ込んで見えます。視野の中で最も面積のある淡い光で、直視せず少し視線を外すそらし目にすると広がりが増えます。ただし中心のトラペジウムは四つの星が20秒角の中に固まっているため、双眼鏡では一つか二つの星にしか分かれません。
写真との落差
写真の赤やピンクは目には出ません。露光を重ねた画像は水素の出す赤い光を積み上げたもので、暗い光では色を感じる細胞がほとんど働かないため、目に届くのは灰色から緑がかった白です。星雲は写真のように赤く見えるという受け取り方はここから広まりました。細かい筋も目では一様なにじみに均され、輪郭だけが写真と共通します。
正体
生まれたばかりの星がガスを光らせている場所です。中心のトラペジウムにある高温の星が紫外線を出し、周りの水素を電離させています。距離は電波での位置測定による年周視差からおよそ1300光年と求められ、星が生まれる現場としては銀河系の中で手近な部類にあたります。星団に育ちつつある若い星が700個ほど見つかっており、そのほとんどは目に届きません。