りょうけん座M3

球状星団

見え方: 双眼鏡で見える

目じるしの乏しい春の空で、道順そのものが読みどころです。アークトゥルスとコル・カロリを結ぶ26度の線の中ほどに、丸い綿のような光があります。

何がどう見えるか

縁のやわらかい、綿を丸めたような光に見えます。実視等級6.2、広がりは18分角で、ヘルクレス座大星団と同じ丸さでありながら一回り小さく感じます。距離が3万4千光年と遠いぶん視野に占める面積が小さく、中心の濃さも控えめです。街の空では芯すら拾えません。粒に割れることはなく、境目の決められない一つの面として残り、背景の星が多い場所では見落としやすい大きさです。

探しかた(目じるしからの道順)

春の宵、アークトゥルスからりょうけん座のコル・カロリへ線を引きます。二つの間隔はおよそ26度、その中ほど、アークトゥルス寄りに12度進んだあたりです。線の途中に明るい星がないので、双眼鏡を線に沿って少しずつ滑らせ、視野に入る丸い光を拾います。一往復で見つからなければ、線から少し外して二往復目を送るほうが早く、目じるしの無い空で勘のまま動かすと、同じ場所ばかり見ることになります。

双眼鏡で何が増えるか

肉眼では届かない明るさで、双眼鏡から始まる相手です。7倍50ミリ級では丸い光の面として捉えられ、中心がわずかに濃いことまで分かります。粒には割れません。同じ夜にへび座M5と見比べると、こちらのほうが小さく、明暗の落ち方がなだらかである違いが出ます。像を止めてそらし目を使うと縁が外へ広がり、背景の星との違いがはっきりします。

写真との落差

写真では青白い星と赤い星が数十万個に分離し、粒ごとの色まで写ります。長時間露光を重ねた像で、双眼鏡の視野に残るのは色を持たない白い光の玉です。274個の変光星が明るさを変えていても、一枚の写真からも肉眼からも変化は読み取れません。違いは何日もかけて測って初めて出ます。目に届くのは、その全部が溶け合った一つの明るさだけです。

正体

変光星の多さで名の知られた球状星団です。星はおよそ50万個、そのうち274個が変光星として登録され、133個がこと座RR型に分類されています。この型は明るさの変わる周期から本来の明るさが分かるため、距離をはかる物差しとして使われてきました。距離はおよそ3万4千光年です。へび座M5では変光星105個のうち97個が同じ型で、数のうえではこちらが上回ります。