おおいぬ座M41
散開星団
見え方: 双眼鏡で見える
シリウスから双眼鏡を真南へ下げるだけで、視野に入ります。等級4.5、月のない暗い空なら肉眼でも淡い粒として位置を捉えられる明るさです。
何がどう見えるか
全体で4.5等、広がりはおよそ38分角あり、満月より少し大きい面積にほどけた光です。月のない暗い空なら肉眼でもぼんやりした丸い染みとして位置が分かり、そらし目で見ると濃さが増します。市街地の空では、北にあるシリウスの明るさに目が引かれて背景ごと白み、同じ場所を見ても何も無いように感じられます。粒に分かれるところまで肉眼では届かず、そこが少し明るいという程度で止まります。
探しかた(目じるしからの道順)
おおいぬ座のシリウスをまず視野の中心に入れ、そこから南へ4度、双眼鏡の視野の半分ほど下げると入ります。シリウスを視野の上の縁から外へ出してしまうと、背景が沈んで星団が浮き上がります。目じるしを視野に残したまま探すと、まぶしさに負けて淡い光が消えます。赤緯マイナス20度と低いので、南が開けた場所と、大気減光の少ない高度まで待つ辛抱が要ります。冬の宵、南の空へ上がってからが本番です。
双眼鏡で何が増えるか
淡い染みが、30個ほどの粒に分かれます。倍率7倍でも星団の全体が視野に納まり、中心へ向かって粒が密になる並びが見えます。中央付近のオレンジ色の星は、周りの白い星との対比で色が分かる数少ない例です。視野の中央に置いて数秒待つと色が乗ってきます。手ぶれが残ると粒が線に伸びて数が減るため、双眼鏡用の三脚や柵に肘を預けると、見える粒がもう一段増えます。
写真との落差
写真では赤やオレンジの星が点々と混じった華やかな星野になりますが、これは長時間露光で暗い星の色まで積み上げた結果です。目に届く色は、中央付近の一つがかろうじてオレンジに感じられる程度で、残りは白っぽく見えます(星は写真のように色とりどりに見える)。写る星の数も双眼鏡で数えられる粒よりずっと多く、画像の密度をそのまま探すと、同じ場所を見ている気がしません。淡い染みを先に見つけ、そこから粒を数える順に見るほうが合います。
正体
およそ2300光年先にある散開星団で、百個ほどの星が直径25光年ほどの範囲に集まっています。中央付近のオレンジの星は年を経て膨らんだ巨星で、周りの白い星より進んだ段階にあります。紀元前4世紀のアリストテレスが書き留めた「尾を引かない淡いもの」をこれに当てる見方をメシエ天体の解説書が紹介してきましたが、当の記述が何を指すかは確かめられておらず、出どころのはっきりしない説として扱うのが正確です。