作物図鑑 | オトモアグリ

作物図鑑・葉菜

しゅんぎく

キク科の葉菜。旬は11〜2月、育てやすさは「やさしい」。

しゅんぎく
写真: Laitche / Public domain(Wikimedia Commons)

科

キク科

旬

11〜2月

育てやすさ

やさしい

向く栽培環境

プランター

区分

特定野菜

種まき

春まきと秋まきができますが、旬に合わせるなら8〜9月の秋まきがおすすめです。発芽適温は15〜20℃で、好光性種子のため覆土は5mmほどと薄くし、発芽までは乾かさないよう管理します。

植え付け

直まきが基本で、深さ1cmほどの溝に1〜2cm間隔ですじまきし、生育に合わせて間引きます。主枝やわき芽を摘んで繰り返し収穫する摘みとり型は最終株間15〜20cm、株ごと抜き取る抜き取り型は10cm前後にします。

収穫

草丈が20cm前後になったら収穫適期で、秋まきなら11〜2月が中心です。摘みとり型は下葉を数枚残して主枝を摘むと、わき芽が伸びて長く繰り返し収穫できます。

日当たり

日当たりと風通しのよい場所を好み、生育適温は15〜20℃と涼しい気候に向きます。高温期はとう立ちしやすく、真夏の暑さや強い霜は苦手です。

水やり

乾燥に弱いので土の表面が乾いたらたっぷり与え、特に発芽までは土を乾かさないようにします。プランターは水切れしやすいため朝の水やりを基本にします。

肥料

元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込み、間引き後や収穫が続く時期に液肥や追肥を2〜3週間おきに施すと葉色よく育ちます。

出やすい病害虫

アブラムシ:早めに見つけて防虫ネットで飛来を防ぎ、発生時はふき取るか適用薬剤で対処する ハモグリバエ(エカキムシ):葉の白い筋を見つけたら被害葉を取り除き、防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ べと病:過湿と密植を避けて風通しをよくし、下葉の黄変葉は早めに除去する 灰色かび病:多湿期に発生しやすいので枯れ葉を取り除き、水はけと株間を確保する

連作

キク科の野菜で連作すると病害が出やすいため、同じ場所での栽培は1〜2年あけ、レタスなど同じキク科作物との連続も避けます。

品種

葉の切れ込みが深い中葉種は香りと収穫性のバランスがよく、摘みとり栽培にも適していて家庭菜園向きです。

主産地

令和4年産の全国収穫量は約2.6万tで、大阪府が最大の産地、千葉県・福岡県・茨城県などが続き、近畿・関東・九州が中心です。

育て方のコツ

酸性土壌に弱いので、種まきの2週間前に苦土石灰を施してpHを調整しておくことが発芽と生育のカギです。少しずつ時期をずらしてまくと収穫期を長く楽しめます。

資料

農水省作物統計調査(e-Stat 令和4年産野菜生産出荷統計)、種苗会社栽培マニュアル等を参照し要約

解説動画

視聴済み

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塚原農園 ①

の解説動画

The best value vegetable that grows over and over again! Precautions and tips for growing autumn ...

概要

視聴者リクエストに応える形で、農家である投稿者が中葉春菊(摘み取りタイプ)の栽培・収穫方法を実演解説する動画。春菊は涼しい環境を好むが寒さには弱く、露地では霜に当たると枯れてしまう。

ビニールハウスなど環境次第で長期栽培できる。種が安く、肥料も少なく、農薬もほぼ使わずに育てられるうえ単価が高い、新規就農者にも扱いやすいコスパ最強の秋冬野菜だと位置づけている。

種まき・育苗・植え付け

種まきは秋の彼岸ごろ、9月中旬(上旬では早く、10日過ぎ頃が目安)。気温が高いので育苗は2週間ほどで済み、本葉が左右2枚出た頃が植え付けの適期。

手で引き抜くと切れてしまうので、食事用フォークを土に差して苗ごと持ち上げて植える。春菊の種は小袋にたくさん入っているため細かくまきすぎがちだが、実際に使うのは20粒ほどで足りる。畝幅4m・奥行き1m程度に千鳥状で植えても、株間を開ければ茎が太くなり、20本弱でも十分な収量になる。

大葉と中葉の違い・摘み取り栽培の仕組み

1回で株ごと収穫して終わる大葉春菊(葉が大きくほうれん草のように根から切る)と、何度も摘み取れる中葉春菊がある。投稿者が育てるのは中葉。

上部の茎を残して収穫すると、葉の付け根の節から脇芽が斜め上に一斉に出て、2回目は収量が倍になる。以降も二股に分かれて2倍・4倍・8倍と増えていくため、日数が経つほど収量が上がる。狭い畑で多収したい人には中葉が向く。

収穫のやり方とコツ

最初の主枝が畝表面から60cm前後に伸びたら収穫開始。下を残すほど脇芽が多く出るので、成長点の葉から20〜25cmほどの柔らかい部分をハサミで切る。

太いものは1パックに4〜5本しか入らず、市場の1袋基準は約200g。脇芽(側枝)を収穫する際は付け根ギリギリで切らず、こちらも上から20cmほどで切り、残した節から次の脇芽を出させる。

左手で揃った成長点をまとめて掴み、切り口を揃えながら4〜5本ずつ買い物かごへ入れると効率がよい。刃先で残す成長点を傷つけると茶色い亀裂が入り、出荷ではB品扱いで単価が大きく下がるので優しく扱う。側枝は必ず20cm以上長く切らないこと(切りすぎると節が減り次に出る本数が減る)。

病害虫と防除

春菊は葉物の中でも特に虫がつきにくい。高温期に成長点をヨトウなどが多少かじることはあるが一時的で、キャベツ・はくさい・ブロッコリー・だいこんなどアブラナ科が育つとアブラムシ類はそちらへ移るため、春菊が大きくなる頃にはほとんど虫がいない。

株間を開けて植えると葉は茂っても横から向こうが見えるほど隙間があり、過湿にならずべと病も出にくい。隣にアスパラ菜などのコンパニオンプランツを植えると、アブラムシを食べるミバチなどの益虫が寄って退治してくれる。投稿者は農薬を一度も使わず出荷できている。

追肥の考え方

植え付け後は自然の雨だけで十分育つが、収穫を続けると肥料が切れて回復が遅くなる。収穫2〜3回目(植え付けから約1ヶ月〜1ヶ月半)を目安に追肥する。

粒状はマルチの上では溶けにくいので、速効性のある液体肥料を水で薄め、株元でなく畝の株間あたりにジョウロのノズルを入れて流し込むのが手軽。肥料は「葉物用」と書かれたもの(窒素・リン酸・カリの3要素、8-8-8前後を基準に多少ずれてもよい)を選ぶ。長雨で根が弱り肥料を吸えない・悪天候のときは、微量要素入りの活力剤(リキダスなど)を弱った根の回復目的で与えるのが効果的。

冬越し・とう立ちと単価の話

露地の収穫は10月中旬から霜が降りる頃(茨城・北関東で12月上中旬)まで。簡易なアーチ型ビニールトンネル1枚では霜を防げず凍って溶け、透き通ってから黒ずみ枯れる。

ビニールハウス内にさらに小型トンネルを重ねれば冬越しでき、春菊の単価が最も高い時期に出荷できる。摘み取りを怠って放置するとつぼみを持ち、菊のような花が咲いて苦くなり食味が落ちるうえ、その後の脇芽も早くとう立ちする癖がつく。

近年は昼30℃近く・寒暖差が激しく花芽がつきやすいので、規格内でも早めに摘む。春まき(3月頃、トウモロコシと同時期)も作る人が少なく高収入につながる。

出典: 塚原農園(YouTube)で動画を見る ▶