作物図鑑 | オトモアグリ

アブラナ科の根菜。旬は11〜2月、育てやすさは「やさしい」。

だいこん
写真: Chris 73 / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

科

アブラナ科

旬

11〜2月

育てやすさ

やさしい

向く栽培環境

露地

区分

指定野菜

種まき

秋まきは8月下旬〜9月中旬が最適。春まきも可能だがとう立ちに注意。直まき(移植しない)。

植え付け

1か所3〜4粒まいて間引き、最終株間25〜30cm。深く耕した畑が良い。

収穫

11月〜2月。根の直径が6〜7cmになったら収穫。とり遅れると「す」が入る。す入りは根の組織が養分不足でスポンジ状になる障害で、高温で生育が進みすぎたときにも出る(農研機構調べ)。暖かい秋は太り方を見て早めに抜く。

日当たり

日当たりのよい、石やゴミの少ないやわらかい土。又根を防ぐため深耕する。

水やり

乾燥が続くときのみ。過湿は病気のもと。乾いた土に急にたっぷり与えるような水分の大きな変化は、根が縦に割れる裂根の原因になる。

肥料

元肥中心。追肥は生育を見て軽く。未熟な堆肥は又根の原因になるので避ける。堆肥など粗い有機物は種まきの直前に入れず、早めにすき込んで腐熟させておく(山口県)。

出やすい病害虫

アオムシ・コナガ(アブラナ科) キスジノミハムシ(根や葉を食害) アブラムシ 軟腐病(細菌が根の頭や下葉の傷・食害の跡から入る。高温で土が湿っていると多い。連作を避け、耐病性品種を選ぶ)

連作

アブラナ科。連作は避ける。

育て方のコツ

発芽をそろえ、混み合う前に順次間引くのがまっすぐ太らせるコツ。

資料

農林水産省・e-Stat 作物統計調査(野菜)、農林水産省(高温による障害・農研機構調べ)、山口県、Manzoor ほか 2021(Plants)ほか

解説動画

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概要

アブラナ科の冷涼な気候を好む野菜で、7世紀頃に中国から渡来した親しみ深い作物。適応性が高く育てやすいが、栽培地の気候や時期に合わせて品種を選ぶことが成功の鍵。

発芽適温は15〜25℃、生育適温は15〜20℃。品種を選べば周年栽培でき、種まきは春どりが2〜3月、夏どりが4〜5月、秋冬どりが8〜9月。

春は彼岸を過ぎてから、秋は早めにまくのがポイントで、春〜夏は害虫被害が多いため初心者には秋まきがおすすめ。種まきから2〜3か月で収穫でき、根にはビタミンC・鉄分・食物繊維、葉にもビタミンやミネラルが含まれ、消化酵素ジアスターゼは加熱に弱いのでサラダや大根おろし向き。

プランターと土作り

プランターは深型の標準60cm以上、15号以上の深鉢や土のう袋・米袋でも栽培可能。市販の培養土が手軽で、自作するなら赤玉土7・腐葉土3にバーミキュライトを加え、用土10Lあたり苦土石灰10gと化成肥料10〜30gを混ぜる。

ふるいで粒を細かく揃えると根の変形やまた根を防げる。鉢底石で水はけをよくし、用土は八分目までにするとこぼれを防げる。

露地栽培では種まきの2週間前から土作りを始め、適した土壌pHは6.0〜6.5なので苦土石灰で調整。1週間前に元肥を入れて畝を作り、元肥は1平方メートルあたり化成肥料100gが目安。

堆肥や腐葉土などの有機肥料は根の変形やまた根の原因になるため控える。畝は幅50〜60cm、高さ10〜15cmとし、小石や土の塊などの障害物を取り除いておく。

種まき

移植を嫌うので種は直まきする。間引き菜を収穫しながら育てるなら筋まき、株数が少なく間引きの手間を減らしたいなら点まきがよい。

半日ほど水に浸してからまくと発芽が揃いやすい。発芽適温は15〜25℃で、7℃を下回る時期や30℃を超える時期はうまく発芽しない。

適温なら2〜3日で発芽が始まる。直まきは、平らにならした床に深さ1cmのまき溝をつけ、1cm間隔で種を並べ、薄く覆土して軽く押さえ種と土を密着させ、たっぷり水を与える。

点まきは瓶や缶の底で溝を作り1か所3〜4粒。春まきはトンネル掛けやベタ掛けで保温すると発芽が早まり、発芽までは乾燥させないようこまめに水やりをする。

間引き

根を太らせる大切な作業で、早すぎると苗がダメになった際にまき直しが必要になり、遅すぎると隣り合う株の根が絡んで残す根を痛める。筋まきは1回目を発芽が揃った頃、2回目を本葉1〜2枚の頃に、隣の葉が触れ合わない間隔で行う。

点まきは発芽が揃った頃に2〜3本を残す。1回目は生育がよく形の綺麗な苗を残し、子葉が株の外側を向いて伸びている苗を残す(子葉と同じ方向に養分を吸収する根が伸びる性質のため)。

本葉5〜6枚で最後の間引きをして1本仕立てにし、子葉が斜め上に立たず徒長気味の株や、勢いが強く子葉の緑が濃い株を抜く(根がまっすぐ伸びていない苗は葉の勢いが良くなる性質のため)。残す苗が一緒に抜けないよう根元を押さえ、絡んでいる場合はハサミで根元を切り取る。

害虫対策とマルチング

多い失敗は害虫の食害で、子葉を食害されると光合成ができず根の肥大に影響する。春〜秋は被害が多くトンネル掛けが必須で、アブラムシはモザイク病を媒介するため防止する。

被覆資材は不織布(寒冷紗)がおすすめで、低温期は生育促進を兼ねて透明ビニールでもよい。ただし温度が高すぎると葉ばかり育って根の肥大が悪くなるため、春〜秋は種まきから3週間以内にトンネルを撤去する。

マルチングは生育促進・限界時期の延長・乾燥防止・雑草対策になり、地温を高めるなら透明、雑草対策なら黒、害虫対策ならシルバーを使い分ける。トンネルをしない場合はアブラムシが反射光を嫌う性質を利用してシルバーにする。

土寄せ・水やり・追肥

白く大きな根にするため収穫までに3〜4回土寄せする。1回目は双葉が出揃った頃(倒れやすい時期)、2回目は発芽から約3週間・本葉4〜5枚の頃で除草を兼ねて株元へ寄せる。

成長点を埋めると腐敗や病害の原因になるため覆う用土は成長点の下までにする。3回目以降は追肥のタイミングで行う。

水やりは種まきから発芽までは表面が乾いたらこまめに、発芽後は表面が乾いたタイミングで1日1回、過湿は病害を助長するので乾きすぎず湿りすぎず。根の肥大が始まってからの水不足は根の大きさに影響する。

夜間の水やりは病害を助長するので避ける。追肥は収穫までに2〜3回、化成肥料を使う(堆肥や有機肥料は根の変形の原因)。

1回目は本葉が揃った頃、2回目は本葉5〜6枚の頃。プランターは1株あたり化成肥料3〜5gを縁に沿ってまき株元へ、露地は化成肥料を1平方メートルあたり20〜30g畝の肩にまいて土寄せを兼ねて株元に寄せる。株元中心に施し、追肥後に水やりをすると効きが早い。

収穫の見極めと保存

収穫適期は種まきから早生が50日前後、中生が60日前後、晩生が70日以上で、用土から首が出てその太さが6〜7cmになった頃が目安。品種や時期で日数が変わるので確認しておく。

適期になったものから、首元を掴んで一気に引き抜き、根が長い品種はスコップで周辺の用土をほぐすと折れずに抜ける。収穫は鮮度を保つため涼しい時間帯がよいが、冬は凍結や凍害を避けて温かい時間帯に行う。

葉を切り落とし根を新聞紙で包み、夏は冷蔵庫・冬は冷暗所で保存。葉をつけたままだと養分と水分が葉に取られ味が落ちる。

冬は葉だけ切って畑に埋めたまま春先まで貯蔵でき、埋め直す場合は痛んだ葉を取り除いて斜めに挿す。収穫が遅れると「す」が入り食感が落ちるため、外葉をちぎって葉柄の断面に空洞がないか確認し適期を逃さない。

出典: 野菜作りの教科書 Vegetable Beginners Guide(YouTube)で動画を見る ▶