筋肉図鑑
大胸筋(上半身(前面))
胸板の厚みをつくる扇形の大きな筋肉。鎖骨・胸骨・肋軟骨という広い範囲から始まり、脇の下でねじれながら上腕骨の前面へ集まります。胸の正面をおおう最も表層の筋肉で、腕を前に押し出しながら反対の手を当てると硬く盛り上がるのが分かります。上部・中部・下部で線維の走る向きが変わります。
小胸筋(上半身(前面))
大胸筋の下で肩甲骨を引く小さな筋。大胸筋の下に完全に隠れている小さな筋肉で、第3〜5肋骨から肩甲骨の烏口突起へ斜め上に走ります。体表からは形が見えず、鎖骨の下から脇の前側を軽く押したときの張りとしてだけ分かる位置にあります。厚みはありませんが姿勢への影響は大きい筋肉です。
前鋸筋(上半身(前面))
肋骨から肩甲骨を支えるのこぎり型。肋骨の側面からのこぎりの歯のように何本にも分かれて起こり、脇の下を回り込んで肩甲骨の内側縁の裏へ付きます。脇の下からあばらにかけて、指を斜めに並べたような筋の連なりとして見え、体脂肪が落ちている人ほど輪郭がはっきり出ます。
三角筋前部(上半身(前面))
腕を前へ上げる肩の正面の丸み。鎖骨の外側3分の1から起こり、肩の前面をおおって上腕骨の外側面へ付きます。正面から見たときに見える肩の丸みの部分がこれにあたります。腕をまっすぐ前へ上げると、鎖骨のすぐ下あたりが硬く盛り上がるのを触って確かめられます。
三角筋中部(上半身(前面))
肩幅の見た目を決める肩の真横。肩甲骨の肩峰から起こり、肩の真横をおおって上腕骨へ付きます。肩幅の見た目をつくり、腕を横へ上げたときに最も高く盛り上がる部分です。羽のように線維が斜めに並ぶ構造のため、大きさのわりに強い力を出せる作りになっています。
三角筋後部(上半身(背面))
姿勢を左右する肩の後ろ側の輪郭。肩甲骨の肩甲棘の下縁から起こり、肩の後ろ側をおおって上腕骨へ付きます。横から見た肩の輪郭のうち、後ろ半分をつくる部分です。腕を後ろへ引くと肩甲骨の上の縁あたりが硬くなりますが、鏡で見えにくく意識しづらい場所でもあります。
広背筋(上半身(背面))
背中を逆三角形に見せる最大面積の筋。下位の胸椎から腰の胸腰筋膜、骨盤の腸骨稜までの広い範囲から始まり、脇の下でねじれて上腕骨の前面へ付きます。面積では人体で最も広い筋肉で、背中を逆三角形に見せる脇の下の広がりをつくります。腕を下げる力を入れると脇の後ろが硬く張ります。
僧帽筋(上半身(背面))
首から背中の中央まで広がる三層の筋。後頭部と頸椎・胸椎の棘突起から起こり、鎖骨の外側・肩峰・肩甲棘へ向かって広がるひし形の筋肉です。上部は首すじから肩の稜線、中部は肩甲骨の間、下部は肩甲骨の下端あたりと三つの層に分かれ、それぞれ線維の走る向きが違います。
大円筋(上半身(背面))
広背筋を助ける脇の下の小さな相棒。肩甲骨の外側縁の下のほうから起こり、脇の下を通って上腕骨の前面へ付きます。脇の後ろの壁をつくる、広背筋のすぐ上に重なる小さな筋肉です。腕を下げる方向に力を入れると、脇の後ろで二本の筋が重なっているのを触り分けられます。
菱形筋(上半身(背面))
肩甲骨を背骨へ寄せる姿勢の要。頸椎の下部から胸椎の上部までの棘突起から起こり、肩甲骨の内側縁へ斜め下向きに走ります。僧帽筋の下に隠れていて直接は触れにくい位置ですが、肩甲骨を強く寄せると背骨との間に張りとして感じ取れます。小菱形筋と大菱形筋の二つに分かれます。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)(上半身(背面))
肩の中心を支える四つのインナー。棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の四つが肩甲骨から起こり、上腕骨の骨頭を前後上から包む腱の板となって付きます。表層の三角筋の下に隠れて外からは見えません。棘上筋だけは肩の上、肩峰の下にある狭いすき間を通って走ります。
脊柱起立筋(上半身(背面))
背骨の両脇を縦に走る体の支柱。腸肋筋・最長筋・棘筋の三本が骨盤や仙骨から起こり、背骨の両脇を後頭部まで縦に走ります。うつ伏せから上体を起こしたときに、背骨の左右へ二本の土手のように盛り上がる部分です。腰の高さで特に太くなり、上体を支える柱の役目を果たします。
上腕二頭筋(腕)
力こぶをつくる腕の前面の代表。肩甲骨から長頭・短頭という二つの頭で起こり、肘を越えて前腕の橈骨へ付きます。力こぶとして盛り上がる、腕の前面の表層がこの筋肉です。長頭が外側、短頭が内側を走り、肩と肘の二つの関節をまたぐ二関節筋である点が大きな特徴です。
上腕三頭筋(腕)
二の腕の太さの3分の2を担う筋。長頭は肩甲骨から、外側頭と内側頭は上腕骨から起こり、まとまって肘の後ろの肘頭へ付きます。腕の後ろ側をおおい、上腕の体積のおよそ3分の2を占める大きな筋肉です。腕を伸ばしきると、二の腕の裏に馬蹄形の輪郭が浮き出ます。
上腕筋(腕)
力こぶを下から押し上げる縁の下の力持ち。上腕骨の前面の下半分から起こり、肘を越えて前腕の尺骨へ付きます。上腕二頭筋の下に敷かれていて、外から見えるのは肘の外側寄りのわずかな部分だけです。腕を曲げると、力こぶの外側の縁にもう一つの膨らみとして触れられます。
腕橈骨筋(腕)
前腕の輪郭をつくる親指側の太い筋。上腕骨の外側の下端から起こり、前腕の親指側を通って手首近くの橈骨へ付きます。こぶしを握って肘を曲げると、前腕の親指側に太く浮き出る筋肉です。前腕にある筋のなかでは最も体積が大きく、腕まくりをしたときの見た目を左右します。
前腕屈筋群(腕)
握力を生む前腕の手のひら側の束。多くは上腕骨の内側上顆というひとつの出っ張りから起こり、手首と指へ向かう複数の筋の集まりです。前腕の手のひら側、肘の内側から手首までの膨らみがこれにあたります。強く握ると、手首の内側に腱が何本も浮き出て動くのが見えます。
腹直筋(体幹)
いわゆるシックスパックの本体。みぞおちの下から恥骨まで、お腹の前面をタテに走る板状の筋肉です。腱画という横の仕切りと、中央を縦に走る白線で区切られているため、体脂肪が落ちると6つや8つに割れて見えます。割れる数や左右のずれは生まれつきで、鍛えても増えません。
腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)(体幹)
体をひねる、横腹の二枚重ね。わき腹から骨盤にかけて斜めに走る筋肉で、表層の外腹斜筋と、その内側で逆向きに走る内腹斜筋の二層がタスキ掛けのように交差する構造です。肋骨の下からウエストのくびれにかけて、指で押すと張りを感じ取れます。
腹横筋(体幹)
お腹を締める天然のコルセット。腹筋のなかでいちばん深い層にあり、肋骨の下から骨盤までを横向きの繊維が腹巻きのように取り巻いています。外からは見えませんが、お腹をへこませて咳をすると、わき腹の奥がキュッと締まる感覚がこの筋肉の働きです。
腰方形筋(体幹)
腰の横を支える四角い深層筋。いちばん下の肋骨と骨盤の腸骨をつなぐ、腰の奥にある四角い筋肉です。背骨の左右に一枚ずつあり、わき腹の後ろ側、ベルトの少し上あたりを押したときに硬さを感じる深い層に位置します。
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)(体幹)
上半身と脚をつなぐ唯一の筋。腰の背骨から出る大腰筋と、骨盤の内側の面から出る腸骨筋が合流し、太ももの骨の内側の付け根に付きます。上半身と脚を直接つなぐ唯一の筋肉で、体の奥にあるため外から直接触るのは困難です。
多裂筋(体幹)
背骨を一節ずつ支える細い筋。背骨の後ろ側で、脊柱起立筋よりさらに深い層にあります。椎骨を数個ずつ斜めにつなぐ短い束が下から上まで積み重なった構造で、とくに腰の部分が太く、背骨のきわを押すと硬い盛り上がりとして触れます。
骨盤底筋群(体幹)
骨盤の底を支えるハンモック。恥骨から尾骨、左右の坐骨のあいだに張られたハンモックのような筋肉のシートで、骨盤の底にふたをしています。椅子に座って体重が乗る左右の骨のさらに内側、体の最下部にあたる部分です。
大殿筋(下半身)
人体で最も大きく力強い筋肉。お尻の表面をおおう、体積でいえば人体で最も大きい単一の筋肉です。骨盤の後ろ側から太ももの骨の外側と腸脛靭帯に付き、お尻の丸みそのものを作ります。上部と下部で走る向きが少し違います。
中殿筋(下半身)
片脚立ちの安定を担うお尻の横。大殿筋の上外側にあり、骨盤の腸骨のふちから太ももの骨の出っ張り(大転子)に付きます。腰骨の下、ズボンのポケットのあたりに手を当てて片脚立ちすると、締まって硬くなるのが分かります。
大腿四頭筋(下半身)
太ももの前を作る四つの束。太ももの前面を占める大きな筋群で、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の四つの束が膝のお皿の上で一本の腱にまとまります。膝をしっかり伸ばすと、膝の内側上に涙型の内側広筋が浮き出ます。
ハムストリングス(下半身)
太ももの裏を走る三本の筋肉。太ももの裏側にある大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の総称です。坐骨から膝の裏まで伸び、股関節と膝の二つの関節をまたぎます。膝を曲げると、膝裏の内側と外側に太い腱が浮き上がるのが触れます。
内転筋群(下半身)
脚を閉じる内ももの集まり。内ももにある大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋の総称で、骨盤の恥骨まわりから太ももの内側に扇状に広がって付きます。脚を閉じて力を入れると、内ももに硬い筋が立つのが触れます。
縫工筋(下半身)
人体で最も長いひも状の筋肉。骨盤の前の出っ張りから太ももの前面を斜めに横切り、膝の内側へ回り込んで付きます。人体で最も長い筋肉で、あぐらをかいたときに太ももの前を斜めに走る細いすじとして浮き出ます。
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)(下半身)
ふくらはぎを作る三つの頭。ふくらはぎの膨らみを作る筋群で、表層の腓腹筋の内側頭・外側頭と、その奥にあるヒラメ筋の三つからなります。三つは合流してアキレス腱となり、かかとの骨に付きます。
前脛骨筋(下半身)
つま先を引き上げるすねの筋。すねの骨(脛骨)の外側に沿って走り、足首を通って足の甲の内側へ回り込んで付きます。すねの骨のきわを指でなぞったすぐ外側にあり、つま先を持ち上げると細長い盛り上がりとして浮き出ます。
足底筋膜(下半身)
足裏を張る一枚のバネの膜。かかとの骨から足の指の付け根まで、足の裏に扇状に張られた厚い腱の膜です。筋肉ではなく結合組織で、土踏まずの弓なりの形を保つ弦の役目をしています。足裏を押すと硬い帯として触れます。