筋肉図鑑
大胸筋(上半身(前面))
大胸筋は、胸板の厚みをつくる扇形の大きな筋肉。鎖骨・胸骨・肋軟骨という広い範囲から始まり、脇の下でねじれながら上腕骨の前面へ集まります。胸の正面をおおう最も表層の筋肉で、腕を前に押し出しながら反対の手を当てると硬く盛り上がるのが分かります。上部・中部・下部で線維の走る向きが変わります。
小胸筋(上半身(前面))
小胸筋は、大胸筋の下で肩甲骨を引く小さな筋。大胸筋の下に深く隠れている小さな筋で、肋骨から肩甲骨の烏口突起へ斜め上に走ります。胸郭の前を斜めに横切って肩甲骨へつながるため、体の表からは大胸筋の厚みに隠れて見えず、触って確かめるのも難しい位置にあります(eugene teo)。烏口突起は肩甲骨の一部なので…
前鋸筋(上半身(前面))
前鋸筋は、肋骨から肩甲骨を支えるのこぎり型。肋骨の側面、第1〜第9肋骨あたりから、のこぎりの歯のように何本にも分かれて起こり、脇の下の奥を回り込んで肩甲骨の内側縁の前面(肋骨側)へ付きます。鍛えた体では、肋骨の上にのこぎりの歯の形がそのまま浮き出て見えます(Kenhub)。起始の下端には個人差があり…
三角筋前部(上半身(前面))
三角筋前部は、腕を前へ上げる肩の正面の丸み。鎖骨の外側3分の1から起こり、肩の前面をおおって上腕骨の外側面へ付きます。正面から見たときに見える肩の丸みの部分がこれにあたります。腕をまっすぐ前へ上げると、鎖骨のすぐ下あたりが硬く盛り上がるのを触って確かめられます。
三角筋中部(上半身(前面))
三角筋中部は、肩幅の見た目を決める肩の真横。肩甲骨の肩峰から起こり、肩の真横をおおって上腕骨へ付きます。肩幅の見た目をつくり、腕を横へ上げたときに最も高く盛り上がる部分です。羽のように線維が斜めに並ぶ構造のため、大きさのわりに強い力を出せる作りになっています。英語の解説動画(Ryan Humiston)は…
三角筋後部(上半身(背面))
三角筋後部は、姿勢を左右する肩の後ろ側の輪郭。三角筋後部は、肩甲骨の肩甲棘の下縁から起こり、肩の後ろ側をおおって上腕骨の外側(三角筋粗面)へ付きます。横から見た肩の輪郭のうち、後ろ半分をつくる部分です。AnatomyZone(解剖の教育動画)も、後部の線維は肩甲棘の下縁から起こると説明しています。…
広背筋(上半身(背面))
広背筋は、背中を逆三角形に見せる最大面積の筋。広背筋は、胸椎の下部(T7〜T12)の棘突起、胸腰筋膜、腸骨稜、下位の肋骨3〜4本、肩甲骨の下角という広い範囲から起こります。脇の下を通って上腕骨の前面にある結節間溝の底へ付きます。起始と停止の間が長く、腕と体幹の両方をまたぐ筋肉です。骨盤まで届くため…
僧帽筋(上半身(背面))
僧帽筋は、首から背中の中央まで広がる三層の筋。僧帽筋は、後頭部の外後頭隆起と上項線、項靭帯、C7から胸椎(T12まで)の棘突起から起こる平たい三角形の筋肉です。上部線維は鎖骨の外側3分の1の後ろ縁、中部線維は肩峰の内側縁、下部線維は腱膜を経て肩甲棘へ付きます。付く先が三つに分かれるので、線維の向きも層ごとに違います。…
大円筋(上半身(背面))
大円筋は、広背筋を助ける脇の下の小さな相棒。大円筋は、肩甲骨の下角の後ろ面から起こり、ねじれながら脇の下を通って上腕骨の前面(小結節の稜)へ付きます。すぐ上の小円筋より大きく力が強いと、AnatomyZoneの解説は言います。回旋筋腱板には数えません。広背筋のすぐ上に重なり、脇の後ろのひだを一緒につくります。…
菱形筋(上半身(背面))
菱形筋は、肩甲骨を背骨へ寄せる姿勢の要。小菱形筋は項靭帯とC7・T1の棘突起から、大菱形筋はT2〜T5の棘突起から起こり、肩甲骨の内側縁へ斜め下向きに付きます。僧帽筋の下に隠れていて直接は触れにくい位置ですが、肩甲骨を強く寄せると背骨との間に張りとして感じ取れます。肩甲骨の内側の鈍い痛みは…
回旋筋腱板(ローテーターカフ)(上半身(背面))
回旋筋腱板(ローテーターカフ)は、肩の中心を支える四つのインナーマッスル。棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の四つが、肩甲骨の背面と前面から起こり、上腕骨の骨頭へ腱となって付きます。上腕骨の骨頭を前後上から包む腱の板になり、表層の三角筋の下に隠れて外からは見えません。棘上筋だけは肩峰の下の狭いすき間を通ります。…
脊柱起立筋(上半身(背面))
脊柱起立筋は、背骨の両脇を縦に走る体の支柱。腸肋筋・最長筋・棘筋の三つの柱からなり、仙骨・腸骨稜・下部胸椎から腰椎の棘突起(T11〜L5)・胸腰筋膜を共通の起点に、首の後ろまで背骨の両脇を縦に走ります。腸肋筋が最も外側、棘筋が最も内側です。うつ伏せから上体を起こしたときに…
上腕二頭筋(腕)
上腕二頭筋は、力こぶをつくる腕の前面の代表。肩甲骨から長頭・短頭という二つの頭で起こり、肘を越えて前腕の橈骨へ付きます。長頭は肩甲骨の関節上結節から長い腱で起こります。力こぶとして盛り上がる、腕の前面の表層がこの筋肉です。長頭が外側、短頭が内側を走り、肩と肘の二つの関節をまたぐ二関節筋である点が大きな特徴です。…
上腕三頭筋(腕)
上腕三頭筋は、二の腕の太さの3分の2を担う筋。長頭は肩甲骨の関節下結節から、外側頭と内側頭は上腕骨の後面から起こります。三つは肘に近づくと一本の太い腱にまとまり、尺骨の肘頭に付くほか、肘の関節包と前腕の筋膜にも付きます。腕の後ろ側をおおい、上腕の体積のおよそ3分の2を占める大きな筋肉です。…
上腕筋(腕)
上腕筋は、力こぶを下から押し上げる縁の下の力持ち。上腕骨の前面の下半分から起こり、肘の前にある尺骨の鉤状突起と尺骨粗面に付きます。上腕二頭筋の下に敷かれていて、外から見えるのは肘の外側寄りのわずかな部分だけです。腕を曲げると、力こぶの外側の縁にもう一つの膨らみとして、指先で触れられます。解剖の解説動画によると…
腕橈骨筋(腕)
腕橈骨筋は、前腕の輪郭をつくる親指側の太い筋。上腕骨の外側の下端から起こり、前腕の親指側を通って手首近くの橈骨へ付きます。こぶしを握って肘を曲げると、前腕の親指側に太く浮き出る筋肉です。前腕にある筋のなかでは最も体積が大きく、腕まくりをしたときの見た目を左右します。…
前腕屈筋群(腕)
前腕屈筋群は、握力を生む前腕の手のひら側の束。前腕屈筋群は、前腕の手のひら側にある8つの筋の総称です。表層に4つ(橈側手根屈筋・尺側手根屈筋・長掌筋・円回内筋)、中間に浅指屈筋、深層に深指屈筋・長母指屈筋・方形回内筋の3つがあります。表層と中間の筋は、肘の内側の出っ張り(上腕骨の内側上顆)を共通の起始にします。…
腹直筋(体幹)
腹直筋は、いわゆるシックスパックの本体。恥骨稜・恥骨結合から起こり、胸骨と第5〜7肋軟骨まで伸びる、お腹の前面をタテに走る板状の筋肉です。横に区切る腱画は3本あり、中央を縦に走る白線とともに区画をつくるため、体脂肪が落ちると6つや8つに割れて見えます。米国の解剖学教科書OpenStaxは…
腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)(体幹)
腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)は、体をひねる横腹の二枚重ね。わき腹から骨盤にかけて斜めに走る筋肉で、表層の外腹斜筋と、その内側の内腹斜筋がタスキ掛けのように交差する二層構造です。米国の解剖学教科書OpenStaxは、外腹斜筋の線維の向きをズボンの前ポケットに指を入れる斜め下内向き…
腹横筋(体幹)
腹横筋は、お腹を締める天然のコルセット。腹筋のなかでいちばん深い層にあり、肋骨の下から骨盤までを横向きの繊維が腹巻きのように取り巻いています。外からは見えませんが、お腹をへこませて咳をすると、わき腹の奥がキュッと締まる感覚がこの筋肉の働きです。米国の解剖学教科書OpenStaxは…
腰方形筋(体幹)
腰方形筋は、腰の横を支える四角い深層筋。いちばん下の肋骨と骨盤の腸骨をつなぐ、腰の奥にある四角い筋肉です。背骨の左右に一枚ずつあり、わき腹の後ろ側、ベルトの少し上あたりを押したときに硬さを感じる深い層に位置します。
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)(体幹)
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)は、上半身と脚をつなぐ唯一の筋。腰の背骨から出る大腰筋と、骨盤の内側の面から出る腸骨筋が合流し、太ももの骨の内側の付け根に付きます。上半身と脚を直接つなぐ唯一の筋肉で、体の奥にあるため外から直接触るのは困難です。大腰筋の中でも、Parkら(2012)が座った健康な成人12人の筋電を測ると…
多裂筋(体幹)
多裂筋は、背骨を一節ずつ支える細い筋。背骨の後ろ側で、脊柱起立筋よりさらに深い層にあります。椎骨を数個ずつ斜めにつなぐ短い束が下から上まで積み重なった構造で、とくに腰の部分が太く、背骨のきわを押すと硬い盛り上がりとして触れます。E3 Rehab(理学療法士のチャンネル)は、仙骨・骨盤から頚椎まで続き腰で最も目立つ筋で…
骨盤底筋群(体幹)
骨盤底筋群は、骨盤の底を支えるハンモック。恥骨から尾骨、左右の坐骨のあいだに張られたハンモックのような筋肉のシートで、骨盤の底にふたをしています。椅子に座って体重が乗る左右の骨のさらに内側、体の最下部にあたる部分です。
大殿筋(下半身)
大殿筋は、人体で最も大きく力強い筋肉。お尻の表面をおおう、体積でいえば人体で最も大きい単一の筋肉です。骨盤の後ろ側(OpenStax の解剖学教科書では腸骨の背面・仙骨・尾骨)から、太ももの骨の外側と腸脛靭帯に付き、お尻の丸みそのものを作ります。上部と下部で走る向きが少し違い、E3 Rehab は…
中殿筋(下半身)
中殿筋は、片脚立ちの安定を担うお尻の横。大殿筋の深層から上外側に広がる扇形の筋肉で、腸骨の外側面(OpenStax の教科書)から太ももの骨の出っ張り(大転子)に付き、前部・中部・後部に分かれます。E3 Rehab は、股関節を開く筋のなかで断面積のおよそ6割を占め、前部は股関節を曲げて内へひねる補助的な働き…
大腿四頭筋(下半身)
大腿四頭筋は、太ももの前を作る四つの束。太ももの前面を占める大きな筋群で、OpenStax の教科書では前面に大腿直筋、外側に外側広筋、内側に内側広筋、両者の間に中間広筋が並びます。四つの束は膝のお皿の上で一本の腱(大腿四頭筋腱)にまとまり、お皿の下では膝蓋靭帯として脛骨の出っ張り(脛骨粗面)に付きます。…
ハムストリングス(下半身)
ハムストリングスは、太ももの裏を走る三本の筋肉。太ももの裏側にある大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の総称で、大腿二頭筋は長頭と短頭に分かれます。坐骨から膝の裏まで伸び、股関節と膝の二つの関節をまたぎます。ただし短頭だけは膝しかまたがず、股関節には働かない、とJeff Nippardは解説します。膝を曲げると…
内転筋群(下半身)
内転筋群は、脚を閉じる内ももの集まり。内ももにある大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋の総称で、骨盤の恥骨まわりから太ももの内側に扇状に広がって付きます。脚を閉じて力を入れると、内ももに硬い筋が立つのが触れます。
縫工筋(下半身)
縫工筋は、人体で最も長いひも状の筋肉。骨盤の前の出っ張り(上前腸骨棘)から太ももの前面を斜めに横切り、膝の内側の鵞足に付きます。人体で最も長い筋肉で、股関節と膝の二つの関節をまたぎ、太ももの前側の筋のなかでは最も浅い層を走ります。あぐらをかくと、太ももの前を斜めに走る細いすじとして浮き出ます。…
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)(下半身)
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)は、ふくらはぎを作る三つの頭。ふくらはぎの膨らみを作る筋群で、表層の腓腹筋の内側頭・外側頭と、その奥にあるヒラメ筋の三つからなります。三つは合流してアキレス腱となり、かかとの骨に付きます。Institute of Human Anatomyは、ヒラメ筋の名は魚に似た形に由来し…
前脛骨筋(下半身)
前脛骨筋は、つま先を引き上げるすねの筋。すねの骨(脛骨)の外側面の上のほうと外側顆(上端の外側の膨らみ)から起こり、足首の前では、ほかの伸筋の腱とともに伸筋支帯というバンドの下をくぐって、足の甲の内側にある内側楔状骨と第1中足骨の付け根に付きます。すねの骨のきわを指でなぞったすぐ外側にあり、つま先を持ち上げると…
足底筋膜(下半身)
足底筋膜は、足裏を張る一枚のバネの膜。かかとの骨から足の指の付け根まで、足の裏に扇状に張られた厚い腱の膜です。筋肉ではなく結合組織で、土踏まずの弓なりの形を保つ弦の役目をしています。PhysioMSK(YouTube)の理学療法士は、頂点がかかと、底辺が5本の足指の付け根に付く三角形の膜だと説明しています。…