大円筋

上半身(背面)

広背筋を助ける脇の下の小さな相棒

どこにある?

肩甲骨の外側縁の下のほうから起こり、脇の下を通って上腕骨の前面へ付きます。脇の後ろの壁をつくる、広背筋のすぐ上に重なる小さな筋肉です。腕を下げる方向に力を入れると、脇の後ろで二本の筋が重なっているのを触り分けられます。

はたらき

腕を下ろす内転、後ろへの伸展、内側へのひねりを担当します。働きが広背筋とほぼ同じため「広背筋の小さな助手」と呼ばれるほどです。発達すると脇の下に厚みが出て、背中の広がりが立体的に見えます。ただし広背筋と違い骨盤には付いていません。

鍛え方

懸垂(チンニング)やラットプルダウンで広背筋と一緒に働くため、単独で狙う必要はありません。グリップをやや広めに取り、肘を体の外側から下ろす軌道にすると関与が増えます。8〜12回×3セットの中で自然に発達していきます。

ストレッチ

腕を頭上へ上げて体を反対側へ倒す、広背筋と同じ動きで一緒に伸ばせます。30秒ずつ左右。硬くなると腕を真上まで上げきれず、頭上へ押す種目で腰が反る代償が出ます。万歳をして腕が耳の横まで来ない人は、ここも一緒に確認してください。

解説動画: ラットプルダウン3種のフォームとグリップの使い分け/ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】

使う筋肉と動作の考え方: ラットプルダウンで主に使うのは広背筋と大円筋。広背筋は骨盤のあたりから上腕骨まで広がる、体の中でもかなり大きな面積を持つ筋肉で、その脇の下あたりに大円筋がついている。したがってポイントは骨盤と上腕骨の距離を縮めたり伸ばしたりすること、つまり起始と停止を近づけたり離したりすることになる。

基本のフォーム: 手幅は真上に伸ばした手を円を描くように曲げてきた位置が目安。親指を掛けないサムレスグリップにし、小指や薬指の側で引くと広背筋を意識しやすい。常に胸を張って肩甲骨を下げた状態を作り、そこから腕を曲げるのではなく肘を骨盤の方へ寄せるイメージで引く。バーは鎖骨の少し下あたりまで下ろし、胸をバーに寄せるようにする。

ありがちな間違い: 肩が上がったまま腕だけで引くと広背筋が働かず、腕のトレーニングになってしまう。戻すときに肩甲骨の下制を忘れて肩ごと上がってしまうのもよくある間違いで、バーを戻す間も肩甲骨は下げたままにする。反動で上半身を後ろに引っ張ると重い重量を扱えているつもりでも広背筋に効かず、倒しすぎると角度が変わって他の部位に効きやすくなる。

グリップによる違い: 上から握るオーバーグリップは肩関節の内転で広背筋を収縮させ、アンダーグリップは肩関節の伸展の動きになる。アンダーは上腕二頭筋の関与が増えるぶんやや高重量を扱え、ストレッチ感も感じやすい。その分、二頭筋で引いたり三角筋後部を使ってしまいやすくなる。収縮を意識したいならオーバー、ストレッチ種目として行いたいならアンダー、中間のパラレルグリップは二頭の関与が少なく収縮もストレッチも中間になる。

ビハインドネック: 手幅を先ほどより少し広く持ち、少し前傾して首の後ろにバーを引く。肩甲骨が横斜めに開いたり閉じたりするため、広背筋に加えて僧帽筋の中部から下部あたりにも刺激が行きやすいので、背中に厚みを付けたいときに使うとしている。このとき背中を丸めてはいけない。使い方が分からないうちは高重量でやらず、軽い重量で肩甲骨を上げ下げする練習をしてから行う。